オルド(英語表記)Ordu

精選版 日本国語大辞典 「オルド」の意味・読み・例文・類語

オルド

  1. 〘 名詞 〙 ( [モンゴル語] ordo [トルコ語] orda ) 中国の遼、金、元朝皇帝宮殿または行宮(あんぐう)所轄部族州県を管理する官府および軍隊を備える。行帳。宮帳。宮。斡耳朶。

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改訂新版 世界大百科事典 「オルド」の意味・わかりやすい解説

オルド (斡魯朶)
Ordu

トルコ・モンゴル系の遊牧民君主の帳幕のこと。オルダともいわれた。具体的には帳幕に付属する婦女子家畜などすべての動産を含めた君主の財産の一そろえをいう。転じて,宮廷,本営,後宮の意味にも使われる。原義は〈中央〉を意味するといわれ,中国文献には遼代から現れて,行宮,行帳などと漢訳される。君主権力が強化されるに従い組織・規模が整備されていった。チンギス・ハーンの四大オルドは,その最たるもので,君主権強大化の象徴であった。遼や元の場合,歴代皇帝以外にも皇后皇太子,諸王のオルドもあり,主人の死後も同様に維持された。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「オルド」の解説

オルド
ordo

トルコ語,契丹(きったん)語,モンゴル語,満洲語で「宮廷」を意味する語。遊牧君主,首長の天幕の宮殿をオルドといい,それに直属する軍隊,官僚使用人の天幕も含めた天幕群全体も総称してオルドといった。遊牧国家の中枢組織であるが,転じて幕営,本拠さらには政府もさした。最古の用例は突厥(とっけつ)碑文(古代トルコ語)のordu。では,皇帝没後に維持された宮廷関連の組織を斡魯朶(オルダ)といった。チンギス・カンの宮廷は,四大オルドと呼ばれ,死後も長く維持された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オルド」の意味・わかりやすい解説

オルド
おるど
ordu

モンゴル語、トルコ語で、宮殿、中央を意味する。もとはハンの天幕をさした。中国、遼(りょう)代においては皇帝に各一つのオルドが設置されたが、これにはそのオルドに隷属する州、県、部民が配属され、オルドの経費や護衛の兵士を出した。皇帝の死後は、その皇后が管理にあたり、州、県の部民はそのまま受け継がれて、皇帝の陵幕を守った。元代においても同様のオルドの制が設けられたが、その数はもっと多く、たとえばチンギス・ハン、フビライ・ハンには各四つのオルドが設けられている。

[森川哲雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルド」の意味・わかりやすい解説

オルド(斡魯朶)
オルド
ordo

斡耳朶とも写す。モンゴル語,チュルク語で君主の宮殿,付属の領民,領地をも総称する用語。

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世界大百科事典(旧版)内のオルドの言及

【キリスト教】より

…多くの修道院で聖遺物崇拝がなされ,民衆の巡礼が活発となったが,そのエネルギーは十字軍を起こすに十分なものであった。〈修道会(オルドordo)〉と呼ばれるものはこのころ初めて成立した。すなわち,修道院は1215年の第4ラテラノ公会議が新設を禁止するまでふえつづけ,多くの修道会を生んだ。…

【修道会】より

…キリスト教世界において,合法的な教会の権威によって認可され,会員が共通の会憲(インスティトゥトゥムinstitutum)のもとで修道生活を営む組織をいう。その場合,キリスト教の四大修道会則(レグラ=戒律)といわれる〈バシリウス会則〉〈ベネディクトゥス会則〉〈アウグスティヌス会則〉〈フランシスコ会則〉のいずれかに準拠するものを盛式誓願修道会(オルドordo),会憲のみによるものを単式誓願修道会(コングレガティオcongregatio),両者を併せてレリギオreligioという。またソキエタスsocietas,インスティトゥティオinstitutioの語が当てられることもある。…

※「オルド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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