日本大百科全書(ニッポニカ) 「オーディオメーター」の意味・わかりやすい解説
オーディオメーター
おーでぃおめーたー
audiometer
聴力検査用の電気器具で、もっとも普及しているのは純音を出す純音オーディオメーターである。難聴診断用のものは日本工業規格(JIS(ジス))により規定されている。毎秒125、250、500、1000、2000、4000、8000ヘルツの各純音を出すことができ、音量調節器によって音量の増減も可能で、その音の強さも規定されている。音はイヤホンから出る気導音と、振導子から出る骨導音がある。この音を使って聴くことができるもっとも小さい音の強さ(最小可聴閾値(いきち))を測定し、気導音で聴力を求める。音の強さの基礎となっている0(ゼロ)デシベルは日本工業規格で定められているが、正常者の最小可聴閾値の平均値とほぼ等しい。骨導音は難聴の診断に用いる。
このほか、いろいろな目的のためにもつくられている。検査を受けている人が、聞こえているかどうかを合図すると、音が自動的に増減し、その経過が記録される自記オーディオメーター、語音を出す語音オーディオメーター、多人数を一度に検査できる集団オーディオメーター、さらに幼児用オーディオメーターや選別用オーディオメーターなどがある。
オーディオメーターで測定された結果は、周波数を横軸に、音の強さを縦軸とした図表で示されるのが普通で、これをオーディオグラムaudiogramという。
[河村正三]