ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カガメ」の意味・わかりやすい解説
カガメ
Kagame, Paul
ルワンダの政治家,軍人。大統領(在任 2000~ )。ルワンダ愛国戦線 RPFの最高指導者としてフツ人過激派を打倒,1994年の集団殺害(ジェノサイド),ルワンダ大虐殺に終止符を打った。1959年に,ベルギーからの独立機運が高まったルワンダでフツ人からツチ人への暴力行為が激増したのをうけ両親がウガンダに避難したため,カガメはウガンダで育った。ウガンダの首都カンパラのマケレレ大学に学んだのちヨウェリ・ムセベニが率いる運動に参加。3人の亡命ルワンダ軍指導者とともにツチ人主導の RPFを結成し,1990年にはルワンダ内戦の指揮をとるようになった。内戦は 1993年8月の和平合意により停戦となったが,約束された権力分与は実現しなかった。1994年4月初め,フツ人の大統領ジュベナル・ハビャリマナの搭乗機がキガリ上空で撃墜され,大統領が死亡した。この事件をきっかけとして,フツ人勢力により,ツチ人およびツチ人と協力関係にあった穏健派フツ人に対して集団殺害が始まった。カガメは兵力 1万~1万4000の RPF部隊を率いて集団殺害に携わるフツ人勢力に立ち向かったが,キガリを奪還する同 1994年7月までに 80万人以上が殺害された。RPFはフツ人のパスツール・ビジムングを大統領とする新政権を樹立。カガメは 37歳にして副大統領と国防大臣を務めた。2000年に議会で暫定政権の大統領に選出された。2003年初の大統領選挙で当選,2010年に再選された。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報