カナダヅル(読み)かなだづる(英語表記)sandhill crane

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カナダヅル」の意味・わかりやすい解説

カナダヅル
Grus canadensis; sandhill crane

ツル目ツル科。全長 90~119cm,背丈は 80~120cm。頬と喉が白,眼から額,頭上前部が赤く,風切羽は黒い。そのほかは全身灰褐色で,雨覆羽などにはオリーブ褐色の羽毛が交じる。クロヅルに似ているが,クロヅルは顔と前頸が黒く,頸側に白帯がある。シベリア北東部,カナダアメリカ合衆国北部,フロリダ半島キューバで繁殖する。高緯度地方では繁殖後にアメリカ南部からメキシコ北部へ渡る。フロリダ半島やキューバ,ミシシッピ川下流域では亜種留鳥として生息する。ツンドラ草原に草を積んで巣をつくる。陸上や浅瀬で採食し,昆虫やミミズネズミ,ヘビ,カエルなど,手に入る小動物はなんでも食べる。ツル類のなかでは生息数がきわめて多いが,留鳥の亜種は個体数が減少している。日本にはまれに冬鳥(→渡り鳥)として渡来し,ほかのツル類に交じって湿地水田に生息する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カナダヅル」の意味・わかりやすい解説

カナダヅル
かなだづる
sandhill crane
[学] Grus canadensis

鳥綱ツル目ツル科の鳥。北アメリカに分布する2種のツルの一つ。全長約1.1メートル。全身スレート灰色で、初列風切(かざきり)は黒く、額と頭上は皮膚が裸出して赤色である。シベリア北東部、アメリカ合衆国以北の北アメリカ、キューバに分布し、北方のものは冬期合衆国南部、メキシコで越冬する。日本には迷鳥またはまれな冬鳥として数回飛来した。ツンドラ、湿地、広い草原にすみ、食物は主として植物質だが、昆虫類や地上の小動物も食べる。ツンドラや草原の地上に営巣し、繁殖する。

[森岡弘之]

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