カピバラ(読み)かぴばら(英語表記)capybara

翻訳|capybara

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カピバラ」の意味・わかりやすい解説

カピバラ
かぴばら
capybara
[学] Hydrochaeris hydrochaeris

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目カピバラ科の動物。パナマ東部からアルゼンチン東部にかけて広く分布する。頭胴長130センチメートル、尾は痕跡(こんせき)的である。肩高は50センチメートルで、体重は雄50キログラム、雌60キログラム。世界最大の齧歯類で、外形は、モルモットの四肢を長くした姿に似る。前足に4指、後足に3指があり、つめはひづめ状で、後指には水かきが発達している。体上面は茶褐色の粗毛に覆われ、下面は黄褐色。半水生で、川や湖沼、湿地帯などが近くにある森林にすみ、20頭ぐらいの群れあるいは家族で生活し、おもに早朝または夕刻に活動する。水泳が巧みで潜水もし、水生植物や水辺に生える草を主食とする。妊娠期間は15~20週で、年1回雨期に2~8子を産む。肉は美味で食用となり、皮もシカ皮に似て軟らかく、しかも水で洗っても硬化しない。パナマの亜種はやや小形で、パナマカピバラまたはカルピンチョH. h. isthmiusとよばれ、体重は30キログラム前後である。

[土屋公幸]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カピバラ」の意味・わかりやすい解説

カピバラ
Hydrochoerus hydrochaeris; capybara

齧歯目カピバラ科。ミズブタともいう。体長 1.2m内外で,齧歯類中の最大種。前肢に4本,後肢に3本の指があり,体には長くてあらい毛がまばらに生えている。体形テンジクネズミに似る。深い熱帯林の近くの水辺に,20~30頭の家族単位で生活し,おもに朝と夕方に活動する。植食性。南アメリカのアンデス山脈以東,パラナ川以北に分布する。

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