日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラダイオウ」の意味・わかりやすい解説
カラダイオウ
からだいおう / 唐大黄
[学] Rheum rhabarbarum L.
Rheum undulatum L.
タデ科(APG分類:タデ科)の多年草。名は中国産の大黄という意味であるが、薬用にする真正の大黄と誤認したものである。ルバーブともいう。シベリア、モンゴル、中国東北部および北部に分布し、日本へは古くから渡来し、いまは長野県、奈良県で栽培し、その根茎を和大黄(わだいおう)と称している。漢字で唐大黄と書いてトウダイオウと発音したときは薬用にする別種中国産大黄をさすことになるから、植物名として唐大黄の表現は使用しないほうがよい。茎は高さ60~80センチメートル(栽培したときは1.5メートルに達する)、大きな根出葉を多数つけ、葉は卵形で縁(へり)は波形にうねり、長さ10~16センチメートル、幅8~14センチメートル、基部は心臓形、茎につく葉は大きくない。葉柄は太く、長さ7~12センチメートル、紫色を帯び、上面に浅い溝がある。茎は中空で、夏に茎の上部から枝を出し、多数の黄白色の花を円錐(えんすい)花序につける。花はやや長い柄をもち花軸上に輪生し、花弁はなく、内萼(がく)と外萼はそれぞれ3裂し、雄しべは9本、雌しべは1本で花柱は3本ある。痩果(そうか)は三稜(さんりょう)形で、内側3枚の宿存性の萼片で包まれる。太い根茎を乾燥して薬、黄色染料、線香に用いる。漢方では下剤として使用すると腹痛を伴うとして嫌う。少量を用いて健胃剤として使用する。また皮膚病にも用いる。
[長沢元夫 2020年12月11日]