カリアリ(読み)かりあり(英語表記)Cagliari

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カリアリ」の意味・わかりやすい解説

カリアリ
かりあり
Cagliari

イタリア、サルデーニャ島南部にある都市で、サルデーニャ自治州の州都。人口15万8351(2001国勢調査速報値)。陸海空の交通の要地である。紀元前9世紀にフェニキア人市場町として発足。のちローマ時代には大いに栄えた。その後盛衰の歴史を経たが、つねに島の拠点都市の座を占める。第二次世界大戦中、潜水艦基地があったため、激しい爆撃を受けた。産業としては、陶器やじゅうたんなどの手工業、農畜産物の加工、製塩業があるほか、カリアリ港は商業港として重要な役割を果たしている。戦後近郊にイタリア有数の製油所が建設され、それを基礎に石油化学工業が発展したが、それが地域経済の発展に与えた影響はかならずしも大きくはない。

[堺 憲一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カリアリ」の意味・わかりやすい解説

カリアリ
Cagliari

イタリア西部,サルジニア島南岸,カリアリ湾にのぞむ同島最大の都市。サルジニア州の州都でカリアリ県の県都。市の東西を潟に囲まれる。イタリア第1の海塩産地。良港があり,付近から産出される亜鉛,鉛をはじめとする鉱産物を輸出する。食品加工,窯業,自転車工業などが行われる。島の北部や西部に通じる鉄道の起点で,海軍および空軍基地もある。市の北部にはローマ時代の円形劇場の跡があり,ほかに中世の城や聖堂などがある。国立考古学博物館も所在。フェニキア人によって基礎が築かれ,のちカルタゴ人の活動の主要な中心をなしたが,前 238年にローマ人の手に移った。同島の守り神を祀る聖エフィシオ祭が行われることで有名。人口 15万6488(2011推計)。

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