かるた会(読み)かるたかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「かるた会」の意味・わかりやすい解説

かるた会
かるたかい

かるたを用いて勝敗を争う室内遊戯。普通、小倉(おぐら)百人一首歌がるたを用いるものをいう。平安時代から上流社会で行われた貝合(かいあわせ)が、のち木札を用いるようになり、江戸時代貞享(じょうきょう)年間(1684~88)京都の松葉屋から厚紙木版で刷った歌がるたが売り出されるに及び一般に普及した。取り札全部を散らしておき、読み手の読む歌にしたがって取った札の多少を競ったり、源平の2組に分かれて争ったりした。明治になって一対一で行う競技方法が生まれ、研究団体などもでき、黒岩周六(涙香(るいこう))により、1904年(明治37)萬朝報(よろずちょうほう)主催の第1回競技会が開かれた。尾崎紅葉の『金色夜叉(こんじきやしゃ)』には、このころの家庭内でのかるた会のようすが描かれている。また1934年(昭和9)には大日本かるた協会が発足し、ついで段位も制定されるなどした。第二次世界大戦後は、全日本かるた協会主催により、61年(昭和36)から毎年1月に、名人位・クイーン位決定戦が催されている。

[佐藤農人]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「かるた会」の意味・わかりやすい解説

かるた会
かるたかい

小倉百人一首』によるかるた競技会。江戸時代に流行したかるた遊びが,競技会形式をとって行われるようになったのは明治中期になってからで,その最初は万朝報新聞社主催のかるた会である。競技会は源平2組に分れて行われ,読み手のほか審判1名が立会う。現在では毎年正月に,日本一を競う名人戦とクイーン戦が開かれている。この大会は明治中期以降特に盛んとなり,各種の競技団体が結成された。東京帝国大学の「緑会」,「東京かるた会」などが有名で,東京かるた会は 1904年に第1回の競技大会を開催しており,標準かるたを決定して,以後これにならうこととなった。

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