ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンタベリー大聖堂」の意味・わかりやすい解説
カンタベリー大聖堂
カンタベリーだいせいどう
Canterbury Cathedral
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ロンドンの東南東85キロメートルのカンタベリーにあり、イギリス国教会(イングランド教会)の総本山になっている大聖堂。カンタベリーが6世紀にサクソンのケント王国の首都になり、イングランド最初の司教座(のちに大司教座に昇格)が置かれたのが起源。チョーサーの『カンタベリー物語』に生き生きと描かれているように、中世には巡礼地としても人気が高かった。現在の大聖堂は1070年から1503年にかけて造営され、東西二重の袖廊(そでろう)があるところなどにロマネスク式の原形が認められるが、全体としてはイギリス後期ゴシック独特の垂直様式の要素が強い。西袖廊の左側に、1170年に殉教した大司教トマス・ベケット記念の場がある。1988年に聖オーガスティン大修道院と聖マーティン教会とともに世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[紅山雪夫]
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