ガリレイの生涯(読み)がりれいのしょうがい(英語表記)Leben des Galilei

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガリレイの生涯」の意味・わかりやすい解説

ガリレイの生涯
がりれいのしょうがい
Leben des Galilei

ドイツの劇作家ブレヒト戯曲。北欧亡命中の1939年に完成した歴史劇で、ブレヒトが主張する叙事詩的演劇円熟を示す。43年チューリヒで初演。イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイベネチアでの待遇に不満でフィレンツェに移ったが、宮廷教皇庁で真実を述べることを許されず、研究心を奮いおこしては弾圧され、しかも目覚め始めたルネサンスの市民たちとの連帯も果たせず、審問所の監視下に余生を送る。そして、ひそかに『新科学対話』を弟子の手によって未来に救い出す主人公ガリレイを30年にわたって15景で展開する。1945年から47年のアメリカ稿は原爆時代を反映してガリレイに鋭く自己批判せしめ、今日の科学者のあり方を問う。

八木 浩]

『岩淵達治訳『ガリレイの生涯』(岩波文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android