キオン(読み)きおん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キオン」の意味・わかりやすい解説

キオン
きおん / 黄苑
[学] Senecio nemorensis L.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。茎は直立し、高さ0.5~1メートル。葉は互生し、披針(ひしん)形で縁(へり)に細かい鋸歯(きょし)がある。8~9月、茎上部が数多く分枝し、多数の頭花を散房状につける。総包葉は長さ6~7ミリメートル、基部には線形の小さい包葉片がある。舌状花は5個。名は、シオン紫苑)に対して花が黄色であることからつけられたものであるという。ヒゴオミナエシともいう。深山に生え、日本のほかアジアからヨーロッパにかけて広く分布する。

[小山博滋 2022年2月18日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キオン」の意味・わかりやすい解説

キオン
Chion

中央アジアの古代民族。イラン系の民族と思われる。4世紀なかばササン朝ペルシア戦い,次いでこれと和してともにローマ軍と戦ったと伝えられる。その住地は明らかでないが,ペルシアの東部国境に近い地方と考えられ,ソグディアナバクトリアを支配していたらしい。キオンをエフタル族とする説もある。

キオン(黄苑)
キオン
Senecio nemorensis

キク科の多年草。東アジアの温帯からシベリアを経てヨーロッパまで広く分布する。茎は直立し高さ 1mに達する。葉は広披針形で互生し,縁に浅い鋸歯がある。夏,茎の上部に多数の黄色頭花を散房状につける。痩果には白色冠毛がある。

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