きさげ(読み)キサゲ

デジタル大辞泉 「きさげ」の意味・読み・例文・類語

きさげ

《動詞「きさぐ」の連用形からか》機械やすりで仕上げた工作物の面を、人手でさらに精密に仕上げるのに用いる削り工具スクレーパー

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改訂新版 世界大百科事典 「きさげ」の意味・わかりやすい解説

きさげ

スクレーパーscraperともいう。滑り面やはめ合い面の仕上げに用いられる手工具。光明丹を塗った基準面体と仕上げようとする面とをすり合わせ,光明丹がついた凸部をきさげで薄く削り取る。研削と同程度の精度を得ることもでき,また面の模様づけにも用いられる。切れ刃の形状が平形,かぎ形,三角形,三日月形などのもののほか,軸受メタルの凹面などを仕上げる俗称〈ささっぱ〉と呼ばれる軸受きさげなどがある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「きさげ」の意味・わかりやすい解説

きさげ

機械仕上げされた工作物の表面を、さらに人手により精密に仕上げるための切削工具。その工程をきさげかけという。機械加工ではできない微妙な調整が可能で、また、きさげ仕上げされた平面に独特なきわめて浅い多数の凹(へこ)みが油だまりとなるため、定盤(じょうばん)、機械、測定器において、すべり運動をより滑らかにする有用性が加わる。刃の形から平きさげと、ささばきさげに分類される。刃先の角度は工作物の材質に応じて変化させる。刃の材質としてはハイス高速度鋼)と超硬合金が用いられる。一般には鋳鉄製品の加工に使われるが、ささばきさげの場合には、黄銅ホワイトメタルのような軟らかい金属を用いた軸受の仕上げなどにも用いられる。

[清水伸二]


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