キサントプロテイン反応(読み)きさんとぷろていんはんのう(英語表記)xanthoprotein reaction

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キサントプロテイン反応」の意味・わかりやすい解説

キサントプロテイン反応
きさんとぷろていんはんのう
xanthoprotein reaction

タンパク質呈色反応の一つ。xantho-はギリシア語のxanthós(黄色)に由来する接頭語。proteinはタンパク質。タンパク質が黄変する現象を示す用語。タンパク質を含む物質の少量に濃硝酸1ミリリットルほどを加え、数分間煮沸すると黄色となる。冷却後アンモニアでアルカリ性にすると橙黄(とうこう)色に変化する。この反応は、ベンゼン環をもつチロシントリプトファンフェニルアラニンなどのアミノ酸自身、またこれらを含むタンパク質でもおこるもので、呈色ベンゼンのニトロ誘導体生成に基づくものであるとされている。血清アルブミンに比べ、これら芳香族アミノ酸の組成比が3分の1程度のコラーゲンゼラチンは発色性が低い。化学実験などで濃硝酸を扱ったとき、手や指などが黄色になるのは、この反応のためである。

[成澤芳男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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