キスリング(読み)きすりんぐ(英語表記)Moïse Kisling

デジタル大辞泉 「キスリング」の意味・読み・例文・類語

キスリング(Moïse Kisling)

[1891~1953]ポーランド生まれの画家エコール‐ド‐パリ一人。明るい色彩で、哀愁を帯びた女性像・風景静物を描いた。

キスリング(〈ドイツ〉Kissling)

縦長で、横に二つポケットのついた、口を巾着きんちゃく型に縛る大型のリュックサックスイスの袋物職人キスリングが考案した。

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精選版 日本国語大辞典 「キスリング」の意味・読み・例文・類語

キスリング

  1. ( Moïse Kisling モイーズ━ ) ポーランド生まれのフランスの画家。ドラン影響を受け、明るい色彩で、哀愁を帯びた女性像、風景などを描いた。エコール‐ド‐パリの一人。(一八九一‐一九五三

キスリング

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Kissling ) 登山用の大きなリュックサック。スイスの袋物職人キスリングが創案した。〔登山技術(1939)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キスリング」の意味・わかりやすい解説

キスリング(Moïse Kisling)
きすりんぐ
Moïse Kisling
(1891―1953)

フランスの画家。ポーランドのクラクフの富裕な家庭に生まれ、同地の美術学校に学んだあと、1910年パリに出る。1911~1912年にはフランス南西部のセレピカソグリスたちとともに制作している。1912年には画商アドルフ・バスラーAdolphe Basler(1878―1949)と契約。第一次世界大戦には外人部隊に応募し、重傷を負うが、その功でフランス国籍を取得。1917~1920年は南フランス、その後はモンパルナスに住み、エコール・ド・パリ一員として、多くの画家、作家たちとの交友の中心的存在となる。キュビスム、とりわけ色彩的キュビスムの影響を強く受ける一方で、パリ派の不安と哀愁を透明感のある華麗な色彩に託した。肖像、静物、裸婦を描き、おもな作品は『赤い長椅子(ながいす)の裸婦』(1918年。ジュネーブ、プチ・パレ美術館)、『ポーランド風の肩掛の娘』(1928年。パリ国立近代美術館)など。1941~1946年ニューヨークに過ごし、帰国後、南フランスのサナリに没した。

[中山公男]


キスリング(ルックザック)
きすりんぐ

ルックザック

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キスリング」の意味・わかりやすい解説

キスリング
Kisling, Moïse

[生]1891.1.22. クラクフ
[没]1953.4.29. サナリー
フランスの画家。ポーランド生れのユダヤ人で,エコール・ド・パリの代表的画家。クラクフの美術学校で師のパンキエビッチから印象派の画風を学んだのち,1910年パリに出る。ブラック,ピカソ,J.グリス,M.ジャコブラと交わり,A.ドランに強く影響される。第1次世界大戦中,外人部隊に入隊して負傷。戦後フランス国籍を得,19年個展で成功。第2次世界大戦中アメリカに亡命,戦後フランスに戻る。肖像,裸婦を得意とし,明るい色彩のうちに哀愁,官能性を凍結させた。代表作『モンパルナスのキキ』 (1925) 。

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百科事典マイペディア 「キスリング」の意味・わかりやすい解説

キスリング

エコール・ド・パリの画家。ユダヤ系ポーランド人。1910年パリに出て,モンマルトルの〈バトー・ラボアール(洗濯船)〉に住む。セザンヌドランらの影響を受けた,孤独とメランコリーと官能性の入り混じった甘美な作風で知られる。代表作《モンパルナスのキキ》(1925年)。

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世界大百科事典(旧版)内のキスリングの言及

【リュックサック】より

…明治初期には日本にも紹介されたが,登山に使用したのは1910年加賀正太郎がヨーロッパから持ち帰って以来で,このときは三つポケット型であった。その後,29年松方三郎がキスリング型(スイスの製作者キスリング創案の,横に二つポケットのついた型)を持参して以来,これが登山用のリュックサックの主流となった。第2次大戦後ヨーロッパ製の各種の製品が輸入され,材質も帆布が中心であったがナイロン,ビニロンなど軽量のものとなり,形や大きさも利用目的に応じて多様化した。…

※「キスリング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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