日本大百科全書(ニッポニカ) 「キンコウカ」の意味・わかりやすい解説
キンコウカ
きんこうか
[学] Narthecium asiaticum Maxim.
ユリ科(APG分類:キンコウカ科)の多年草。根茎は横走し、根出葉を出す。根出葉は2列に重なりあって並び、中央脈から縦に折れて扁平(へんぺい)となり、やや湾曲し、平行脈がある。花茎は高さ20~50センチメートルで上部に短い線状披針(ひしん)形の葉を数枚つける。7、8月に総状花序をつけ、長さ6~12センチメートルの黄色花を多数開く。花被(かひ)は開花期後半には緑色となる。蒴果(さくか)は花柱を含めて披針形。種子は線形で長さ1~1.1センチメートル。滋賀県以北の本州と北海道幌向(ほろむい)(江別(えべつ)市)の湿原に生育する。ユリ科とされていたが、APG分類で、ソクシンラン属、ノギラン属とともにキンコウカ科としてまとめられた。
[河野昭一 2018年10月19日]