ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギュンター」の意味・わかりやすい解説
ギュンター
Günther, Gotthard
[没]1984.11.29. ハンブルク
ドイツ生れのアメリカの哲学者。情報理論の立場に立ち,アリストテレス以来の真偽の二値論理学を批判的に検討し,多値論理学を主張した。主著"Grundzüge einer neuen Theorie des Denkens in Hegels Logik" (1933) ,"Idee und Grundriss einer nicht-aristotelischen Logik" (59) ,"Das Bewusstsein der Maschinen" (57) ,"Cybernetic Ontology and Transjunctional Operations" (62) ,"Logik,Zeit,Emanation und Evolution" (67) 。
ギュンター
Günther, Ignaz
[没]1775.6.28. ミュンヘン
ロココ時代のドイツ,バイエルンの彫刻家。 1752年ウィーンのアカデミーで彫刻を学ぶ。作品はキリスト教を主題とした宗教彫刻が多いが,中世趣味をロココ独特の軽快で装飾的な表現方法のなかに消化して,優雅な作品に仕上げている。引伸ばされた体驅や面長の顔,感情を強く表わす表情などはゴシックのものであるが,動勢に富む全体の構成はむしろバロック的である。代表作は 60~62年に制作したドイツ・ロココの典型を示すロット・アム・イン聖堂の祭壇。特色は彩色された木像彫刻にあり,ミュンヘン,ビュルガザールの『トビアスと天使』 (1763) ,ワイヤーンの聖ペトロと聖パウロ聖堂の『ピエタ』 (64) および『受胎告知』 (64) ,ベイアルン聖堂の『聖告』 (64) はその好例である。
ギュンター
Günther, Johann Christian
[没]1723.3.15. イェナ
ドイツの詩人。初めはバロックの影響を受けていたが,やがて個人的感情あふれる抒情的な詩に移行。若きゲーテに高く評価された。6歳年長の愛人を歌った『フラービア』 Flaviaで天才詩人といわれたが,まもなく酒と浪費の生活におぼれ,放浪生活のうちに 28歳で夭折した。近代の告白文学の先駆者といわれ,個人的体験に基づく恋愛詩,酒歌,学生歌がある。
ギュンター
Günther, Matthäus
[没]1788
ドイツの画家。 C.D.アザム (→アザム兄弟 ) のもとで修業したのち,主としてアウクスブルクで活動。ティエポロの影響を受けたロココ様式の主要画家の一人として,聖堂や宮殿に大壁画を制作。代表作はウィルテン修道院付属教会堂の壁画 (1754) 。
ギュンター
Günther, Christian Ernst
[没]1966.3.7.
スウェーデンの政治家。 1925年外務省入りし,28年商務局長。アルゼンチン,チリ,ノルウェーの公使を経て,39年 12月 P. A.ハンソン内閣の外相となり,第2次世界大戦中のスウェーデン外交を指導,中立の維持に成功した。戦後は 46年にローマ駐在公使。
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