現代論理学の一分野。通常いかなる命題(判断)も真か偽のいずれかであると考えられている。そして,真でもなければ偽でもない中間の真理値は存在しないというのが論理学の常識であろう。しかしながら,アリストテレスもすでに指摘しているように,まだ起きていない未来のことがらについては,この原理,つまり二値の原理は必ずしも成り立たないように思われる。実際,未来のことまでその真偽があらかじめ定まっているとするならば,いわゆる決定論(あるいは宿命論)を暗黙のうちに認めてしまうことになる。仮に決定論が認められないとすると,ある種の命題は真でも偽でもなく,不確定といった第3の真理値をとると考えられる。このような観点からポーランドの論理学者ルカシエービチは,第1次大戦の終りころ多値論理学の基本となる三値論理学を提唱した。もっとも,C.S.パースによる先駆的研究もあり,また古代中世においても多値論理学の萌芽があった。また,同じころアメリカの数学者ポストEmil Leon Postもルカシエービチとは無関係に多値論理学を提唱した。
さて,真を1,偽を0,不確定な真理値,すなわち3番目の真理値を1/2であらわすと,三値論理学は次の真理表によって説明される。
ただし,∧,∨,⊃,~はそれぞれ〈そして〉(連言),〈あるいは〉(選言),〈ならば〉(含意),〈でない〉(否定)を意味する論理演算。たとえば,A∧B(AそしてB)という命題は,Aが真で,Bが不確定であるならば不確定である(第1行,第2列から)。また,A⊃B(AならばB)はAもBも不確定であるならば真となる(第2行,第2列から)。
その後,多値論理学は主としてポーランドで研究され,公理化,n値論理学(3<n)の一般化など,その他の領域において大きく前進した。また,量子力学への応用などもある。
→命題論理学 →論理学
執筆者:石本 新
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