日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラーゲンフルト」の意味・わかりやすい解説
クラーゲンフルト
くらーげんふると
Klagenfurt
オーストリア南部、ケルンテン州の州都。人口9万0141(2001)。クラーゲンフルト盆地にあり、標高446メートル。周囲は2000メートル前後まで低まった東部アルプスの山地に囲まれる。1268年にすでに都市権を得た古い町で、現在は州の行政、教育、文化の中心地。また、州最大の工業都市で、住民の3分の1が商工業に従事する。工業は多種にわたるが大規模なものはない。おもな工業として、電気、ガス、金属製品、木製品、食品、醸造、印刷などがあげられる。木製品は州内の豊富な森林に依存する産業として有名であり、この町で開かれる木材見本市には内外から取引の人たちが集まる。西部のウェルター湖に観光客が訪れる夏を除いては、閑静な落ち着いた都市である。
[前島郁雄]