クレープデシン(その他表記)crêpe de Chine[フランス]

デジタル大辞泉 「クレープデシン」の意味・読み・例文・類語

クレープ‐デ‐シン(〈フランス〉crêpe de Chine)

中国クレープの意》細い生糸で平織りにした広幅の薄地縮緬ちりめん。中国産の縮緬をまねて、フランスで織り出したもの。婦人服地用。デシン。フランス縮緬。

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精選版 日本国語大辞典 「クレープデシン」の意味・読み・例文・類語

クレープ‐デ‐シン

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] crêpe de Chine 「シナのクレープ」の意 ) 経(たていと)に生糸、緯(よこいと)に縒(よ)りの強い生糸二本を交互に用いた平織物。婦人服地、裏地使用。フランス縮緬(ちりめん)。デシン。
    1. [初出の実例]「燃えたつやうなクレープ・ド・シーンの緋の服を纏ったキャザリンを」(出典:友田と松永の話(1926)〈谷崎潤一郎〉三)

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改訂新版 世界大百科事典 「クレープデシン」の意味・わかりやすい解説

クレープデシン
crêpe de Chine[フランス]

クレープ一種で,デシンともいう。18世紀初めフランスで,中国の織物を模して作られた。クレープ・ド・シーヌ(中国のちりめん)の日本での呼称で,フランスちりめんとも呼ばれた。たて糸に生糸,よこ糸に左撚り右撚り強撚糸を2本交互に使った細かな〈しぼ〉のある平織で,手触りが柔らかく,上品な光沢があり,色にも深みがある。絹のものはフォーマルなブラウスワンピーススカーフなどに用いられる。化学繊維でも作られ,滑りのよさからスーツやコートの裏地,下着などに,また実用的なブラウス,スカーフなどにも幅広く活用されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレープデシン」の意味・わかりやすい解説

クレープ・デシン
くれーぷでしん
crêpe de Chine

クレープの代表的生地。フランス縮緬(ちりめん)(クレープ・ド・シーヌ)をさし、デシンと略称される。英語ではcrape dechineまたはflat crapeなどといわれる。経糸(たていと)に生糸、緯糸(よこいと)に左撚(よ)り・右撚りの縮緬糸を、それぞれ2本ずつ交互に使って織り、精練してから織り面にしぼを寄せたもので、柔らかく、滑りがよいのが特徴である。

 もともと白が好まれ、ブラウスやスリップなどに欠かせないものであったが、化合繊発達につれ、使用繊維も多くなり、無地、捺染(なっせん)物も増え、ネッカチーフ、服裏地などにも多く使用されている。

[角山幸洋]

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百科事典マイペディア 「クレープデシン」の意味・わかりやすい解説

クレープデシン

絹織物の一種。略してデシンとも。中国のクレープの意であるが,日本ではフランス縮緬(ちりめん)とも呼ばれた。ふつう緯(よこ)糸に強撚糸(きょうねんし)を用いて織り,細かいしぼを出す。薄地で軽く柔軟なので無地,プリント染にしてフォーマルなワンピースやブラウス,スカーフ,裏地などにする。化繊,合繊でも作られる。
→関連項目クレープ(織物)

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世界大百科事典(旧版)内のクレープデシンの言及

【クレープ】より

…クレープにはいろいろ種類が多い。クレープデシン(デシンと俗称)はその代表的なもので,フランスから輸入されたのでフランスちりめんともいう。絹のほか,ナイロン,銅アンモニアレーヨン(商品名ベンベルグ)などを用いている。…

※「クレープデシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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