クロース(読み)くろーす(英語表記)Hans Cloos

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロース」の意味・わかりやすい解説

クロース
くろーす
Hans Cloos
(1885―1951)

ドイツの構造地質学者。フライブルク大学を卒業して石油技師となり、のちにボン大学教授となる。多方面にわたる研究のうち、粘土材料を用いての地溝形成の模型実験、小構造による地層褶曲(しゅうきょく)の解析流動組織や小断層・節理に着目してのドラッヘンフェルス火山岩の貫入(かんにゅう)機構解明、および花崗(かこう)岩底盤の形成機構の研究などが著名である。模型実験には材料として適切な粘土を用い、大きい地殻変形を小さい模型で再現した。模型実験の結果や小構造に着目した岩石変形の研究は、構造地質学の現代化に貢献した。

[木村敏雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロース」の意味・わかりやすい解説

クロース
Kloos, Willem Johan Theodor

[生]1859.5.6. アムステルダム
[没]1938.3.31. ハーグ
オランダ詩人,批評家。ヨーロッパを風靡した個人主義的思潮がオランダの文壇を覚醒させた 1880年代,若い詩人たちの先頭に立って活躍。「1880年代の作家たち」という団体をつくり (1882) ,「個性的な感情の個性的表現」を宣言,機関誌『新案内』 De Nieuwe Gids (85~1943) を創刊,死ぬまで編集長をつとめ,批評家としても指導的な役割を果した。彼の詩はソネット形式のものが多く,『子供と神の本』 Het Boek van Kind en God (1888) は最も有名。そのほかサッフォー』 Sappho (81) ,『オケアノス』 Okeanos (82~84) などがある。

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