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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…初期の詩作《アルベルチュス》(1832)で過激なロマン派詩人の熱狂を示したが,小説《青年フランス派》(1833)でそうしたロマン派の青年像を戯画的に描くうちに,やがて熱狂もさめていった。さらに小説《モーパン嬢》(1835)の序文では,〈芸術至上主義〉を唱えて芸術の自律性を主張,文学の社会的効用を説くユゴーと決別した。詩人としての想像力・感受性・思想に欠けてはいたが,絵画的な形式美を表現する才能に恵まれていた。…
… 19世紀以来の唯美主義は観念的美の世界と悪魔的な官能美への惑溺,すなわちデカダンスdécadenceの二極を絶えず往復しているが,これはスウィンバーンに影響を与えたフランスの文学者ゴーティエやボードレールに始まる。前者は,いわゆる〈芸術至上主義〉,すなわち〈芸術のための芸術l’art pour l’art〉(命名は1845年,V.クーザンによる)の唱道者として知られ,効用性を超越した自律的な美を主張した。のちに彼は《文学的肖像と回想》(1881)で,様式としてのデカダンスを〈このうえない成熟に達した芸術であり,輪郭がきわめて曖昧(あいまい)でつかみにくいものを表現しようと格闘し,腐敗した情熱の死にぎわの告白や妄執のもたらす狂気寸前の幻覚を伝えようとするもの〉と定義,唯美主義の到達した極点を示した。…
※「芸術至上主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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