日本大百科全書(ニッポニカ) 「クローロ」の意味・わかりやすい解説 クローロくろーろKarl Krolow(1915―1999) ドイツの詩人。ハノーバーの生まれ。初めはアイヒらの自然叙情詩の流れをくむ。第二次世界大戦によるすべての崩壊と意味喪失を見据え、G・ベンの晦渋(かいじゅう)で巧芸的な詩作の閉鎖反動的傾向に反対して、簡潔な比喩(ひゆ)に基づく「開かれた詩」を提唱、戦後の旧西ドイツの代表的詩人に数えられる。フランス超現実主義やスペインの詩の翻訳、また犀利(さいり)な批評も影響が大きい。『見えぬ手』(1962)、『ヘーゲルと秋のソネット』(1981)、『第二の時』(1995)など詩集多数。後年は物語も執筆。[高辻知義] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例