フランスの風刺文作家,ギリシア学者,書簡作家。革命期から第一帝政期にかけては,砲兵士官として陸軍に勤務するかたわら,古代ギリシアの文学を研究し,イソクラテス等の作品を翻訳した。1809年フィレンツェの図書館でロンゴスの《ダフニスとクロエ》の未刊の断片を発見したが,その一部をインクで汚してしまった。それが故意にやったしわざだと言って非難され,論争がわき起こった。翌年,それまで流布していたアミヨによるこの作品の仏訳を改良して出版。帝政末期から王政復古期にかけては,政治風刺文の作家として活躍した。とくに極右王党派が政権を握った晩年の5年間は自由主義者として健筆を振るい,投獄されたこともある。有名な《風刺文弁護Pamphlet des pamphlets》(1824)を公にした翌年,妻の恋人の企みで暗殺された。書簡作家としても知られ,《フランスとイタリアからの手紙》(1824)を残している。
執筆者:辻 昶
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本国政府と在外公館の間、在外公館相互間、在外領事相互間で、外交封印袋を運搬する特別の使者のこと。外交伝書使と訳される。外交文書類の郵送や電送は秘密保持の点で問題があるので、秘密を要する外交文書は外交封印袋に入れて運搬するのが普通になっている。職務としては古くからあり、イギリスでは、17世紀にThe King's Messengerという常勤の伝書使が置かれていた。クーリエは、その身分を示す公文書を携帯している限り、身体の不可侵を保障され、抑留・拘禁されることはない。接受国は外交封印袋を開いたり留置することはできない。
[広部和也]
フランスの作家。裕福な地主の家に生まれ、軍人となるが性にあわず退役。古代ギリシア語に堪能(たんのう)で、『ダフニスとクロエ』の翻訳を契機に文筆業に入る。束縛を嫌い、論争的で嫉妬(しっと)深い性格のため敵が多く、いくつもの訴訟にかかわるうちに、風刺的小文(パンフレ)作家としてのクーリエが生まれる。豊かな古典の教養と端正な文体を特徴とする。性格的欠陥から召使いに恨まれ、銃で撃たれて死んだ。
[及川 茂]
…外交官の席次や儀礼に関しては,外交団の内部で討議し,時に共同行動をとる。 外交伝書使クーリエcourrierともいう。本国政府と外交使節団の相互の間(もしくは外交使節団相互間)で,外交行囊を運搬する特別の使者で,運搬にさいしては身体の不可侵権を享有する。…
※「クーリエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
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