グラディアトル(その他表記)gladiator

翻訳|gladiator

デジタル大辞泉 「グラディアトル」の意味・読み・例文・類語

グラディアトル(〈ラテン〉gladiator)

古代ローマ時代の剣奴けんど市民娯楽のため、闘技場仲間または猛獣相手に闘った剣士多く奴隷戦争捕虜からなり、養成所もあった。グラディエーター

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改訂新版 世界大百科事典 「グラディアトル」の意味・わかりやすい解説

グラディアトル
gladiator

古代ローマの剣闘士のこと。死者の霊をとむらうため,墓前で剣闘士の試合を行う習慣は,元来エトルリアのもので,これがローマに継承された。前264年ローマで最初の剣闘士の試合が行われ,前105年には見世物として民衆に提供された。剣闘士は,主として戦争捕虜や奴隷からなり,闘技場で仲間同士や猛獣と死ぬまで闘うことを強制された。ローマの民衆は,この試合に熱狂したので,政治家や権力者たちは民衆に見世物を提供して,人気を得たり自己の地位を高めるのに利用した。このため,ローマのコロセウムをはじめ,闘技場がイタリアや属州の各地につくられた。剣闘士を養成するための学校も経営され,その持主は有力者と結びついて利得をあげた。しかし,死のゲームを強制された剣闘士は,屈辱的境遇を脱出し,人間的自由を回復するため,蜂起スパルタクスの蜂起が有名)や逃亡をくりかえした。剣闘士の試合が中止されたのは,ローマ帝国末期の404年であった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グラディアトル」の意味・わかりやすい解説

グラディアトル
ぐらでぃあとる
gladiator

剣闘士または剣奴と訳される。エトルリアでは死者の霊を弔うため墓前で剣闘士の試合を行う習慣があったが、古代ローマがこれを継承した。この試合が見せ物として民衆に提供されるようになったのは紀元前105年以降である。戦争捕虜や奴隷などからなる剣闘士は、闘技場で仲間同士や猛獣と死ぬまで闘うことを強制された。民衆は死のゲームに熱狂したので、政治家はこれを提供して、高級政務官の選挙で票を得るため利用し、闘技場はコロセウムをはじめイタリア、属州を問わず、各地につくられた。

 屈辱的な生活を強いられた剣闘士は、人間的自由の回復のため蜂起(ほうき)(スパルタクスの蜂起が有名)や逃亡を繰り返した。剣闘士同士の試合が廃止されたのは404年であった。

土井正興]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グラディアトル」の意味・わかりやすい解説

グラディアトル
gladiator

古代ローマ時代の剣闘士奴隷。エトルリア人が葬儀で死者を慰めるため剣闘を行わせたのが起源。ローマに受継がれ,ゲルマニアやトラキアの奴隷が専門に養成され,観衆を集めて死ぬまで戦わされた。有力者が民衆の人気を得るために共和政期に盛んに競技が開催された。私兵に採用される者もあり,また前 73~71年にかけてのスパルタクスの乱のように反乱に走る者もあった。キリスト教の発展とともに競技は下火となり,コンスタンチヌス1世 (大帝)のとき中止された。

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旺文社世界史事典 三訂版 「グラディアトル」の解説

グラディアトル

剣奴

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世界大百科事典(旧版)内のグラディアトルの言及

【スパルタクス】より

…トラキアのメディ族出身。ローマ人によりグラディアトル(剣闘士)とされ,カプアの養成所に入れられる。前73年,約70人の仲間と養成所を脱走,ウェスウィウス(ベスビオ)山に拠り,巧みな戦術によって,派遣されたローマ軍をしばしば破った。…

※「グラディアトル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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