日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケチカン」の意味・わかりやすい解説
ケチカン
けちかん
Ketchikan
アメリカ合衆国、アラスカ州南東部、アレクサンダー諸島、レビラジギードー島南西岸の水産都市。人口7922(2000)。アラスカ有数の不凍港を有し、交易・寄航地として重要である。サケ漁の中心地としても知られ、大規模なサケ缶詰・加工工場があり、アラスカ最初のパルプ・製材業も健在である。1890年代のアラスカのゴールド・ラッシュ時代に町が創設され、金採掘者のための物資供給地として発展した。また合衆国本土からの船舶の寄航地としては、アラスカ最初の町として繁栄した。観光資源にも恵まれ、森林地帯にはシカ、クマ、オオカミが生息し、絶好の釣り場も多い。市域には先住民トリンギトなどが残したトーテムポールが数多く残り、トーテム文化遺産センター、トンガス歴史協会博物館などで収集しているほか、公園などで見ることもできる。
[作野和世]