ケニア山(読み)ケニアサン(その他表記)Mount Kenya

デジタル大辞泉 「ケニア山」の意味・読み・例文・類語

ケニア‐さん【ケニア山】

Mount Kenyaケニア中央部にある火山標高5199メートル。同国最高峰であり、アフリカ大陸ではキリマンジャロに次ぐ。首都ナイロビの北約150キロメートル、赤道直下に位置するが、万年雪氷河を頂く。標高3350メートル以上がケニア山国立公園として世界遺産自然遺産)に登録されている。

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改訂新版 世界大百科事典 「ケニア山」の意味・わかりやすい解説

ケニア[山]
Mount Kenya

ケニアのほぼ中央,赤道直下に位置するアフリカ大陸第2の高峰。高原上に広大な裾野を展開する火山であるが,山頂部は鋭く突き出すバティアン(5199m),ネリオン(5188m),レナナ(4988m)の諸峰からなる。これは山頂部の山体が削剝されて,火道を満たしていた固結した溶岩が残ったもの。おもな岩石はアルカリ岩系の粗面玄武岩と,ケニアイトと名づけられたカンラン石に富むフォノライトである。山頂付近に小規模ながら12の氷河が現存し,氷舌端は標高4400mに達している。東側の斜面に雨が多く,山麓では森林を開いてコーヒーなどの栽培が行われる。西側と,とくに北側の山麓は乾燥したサバンナで,小麦農園または牧場として利用される。中腹には竹林を混じえる山地林が発達し,バッファローや象などが生息する。森林限界(標高約3300m)上方の高山帯には,巨大なロベリアセネシオが目につく。森林帯から上方は国立公園に指定されている。1899年,イギリス人H.J.マッキンダーらが頂上をきわめた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケニア山」の意味・わかりやすい解説

ケニア山
ケニアさん
Mount Kenya

ケニア中部,赤道の南にある火山。キクユ語でケレ=ニアガ(「白い山」の意)といい,国名の由来といわれる。アフリカ大陸でキリマンジャロ山に次ぐ高さで,頂上は多くの峰に分かれ,最高峰はバティアン(5199m),第2峰はネリオン(5188m)。1849年にドイツ人宣教師ヨハン・ルートウィヒ・クラプフが発見,初登頂は 1899年イギリスのハルフォード・ジョン・マッキンダーによる。山体はアフリカ大地溝帯グレートリフトバレー)が形成されたときに地表に噴き出した溶岩が凝固してできた。標高 1500~2000mの山麓ではバナナ,豆類,芋類,トウモロコシ,コーヒー,チャ(茶),ワタなどを栽培。3300m付近までは森林,それ以上の高地ケニア山国立公園に指定され(1997世界遺産の自然遺産に登録),野生動物が多い。4300m以上は氷河に覆われる。北西部のナンユキが登山基地。

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