レベック(英語表記)René Lévesque

デジタル大辞泉 「レベック」の意味・読み・例文・類語

レベック(rebec)

中世からルネサンスにかけてヨーロッパで用いられた洋梨ようなし形の擦弦楽器

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「レベック」の意味・わかりやすい解説

レベック
René Lévesque
生没年:1922-87

カナダの政治家,ケベック州首相(在職1976-85)。ケベック州に生まれ,ラバル大学に学ぶ。第2次大戦中,カナダ放送公社のヨーロッパ・レポーターを務め,戦後はテレビの解説者として人気を博した。1960年ケベック州議会に自由党から出馬して当選。天然資源相を務めて州の電力公営化など自由党の〈静かな革命〉の推進者の一人となった。67年,自由党がケベックの漸進的独立という彼の案を却下するに及んで自由党と決別し,ケベック党結成した。76年11月15日,ケベック党は州議会選挙で多数を占めて政権掌握。81年の選挙にも勝利を収めた。分離独立の主張は政権掌握に当たって穏健化し,現在は主権連合を提唱しているが,連邦と州の権限分割をめぐって〈1982年憲法〉に同意しないなど,レベックの去就はカナダ政界の注目の的となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レベック」の意味・わかりやすい解説

レベック
Lévesque, René

[生]1922.8.24. ケベック,ニューカーライル
[没]1987.11.1. モントリオール
カナダの政治家。ラバル大学中退後,1944年アメリカへ行き,第2次世界大戦中はジャーナリストとして活躍。 46年モントリオールへ戻って国営カナダ放送に入り,テレビ解説者として人気を得た。 50年代,P.トリュドーとともに「静かな革命」の実現に尽力。 J.ルサージュの率いるケベック自由党のもとでケベック州政府の天然資源相となったが,67年自由党を脱党して 68年ケベック党を結成。 76年 11月念願のケベック州政権獲得を達成した。社会民主主義の立場をとり,過激な分離論者とは一線を画すが,ケベック州の分離,独立を唱えた。しかし,80年5月分離,独立を問う住民投票に敗れた。 85年引退。

レベック
rebec

楽器一種中近東起源の小型の擦弦楽器で,ヨーロッパでは中世からルネサンス初期にかけて用いられた。アラビアラバーブから派生した名称で,中世のものはバイオリン式のブリッジと緒止め板があり,通常3弦で木製。アラビアのものは木の代わりに皮が張ってある。現在でも中近東をはじめ,バルカン半島などの民俗音楽に多くの変形が使われている。

レベック
Lévêque, Jean-Charles

[生]1818
[没]1900
フランスの美学者。コレージュ・ド・フランス教授。道徳政治学アカデミー会員。絶対美を中核にプラトン的美学を展開した。

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世界大百科事典(旧版)内のレベックの言及

【フィドル】より

…語源は中央アジアに求められ,10世紀に西南アジアを経て南ヨーロッパに弓で弦を摩擦する奏法が伝えられるまでは,撥弦楽器にも同系の名称が用いられていた。11世紀中ごろには種々の弓奏楽器がヨーロッパで広範囲に使用され,小型のレベックrebec(ルベックともいい,一木作りで細い洋梨形)に対して大型のものをフィドルといったとする説があるほか,当時の弓奏楽器中形態の明らかなトランペット・マリーン(細長い箱形),ハーディ・ガーディリラ,レベック以外は総じてこの名称が用いられることもある。フィドルの形状は上下の板と側板から成る箱形の胴と,明確に分かれた棹,および板状の糸蔵に前方に向かって挿し込まれた糸巻で特徴づけられる。…

※「レベック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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