コ・ジェネレーション(読み)こじぇねれーしょん(英語表記)co‐generation

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コ・ジェネレーション」の意味・わかりやすい解説

コ・ジェネレーション
こじぇねれーしょん
co‐generation

石油天然ガスLPガスなどの一次エネルギーから、動力と熱、あるいは電力と熱のように2種類以上の二次エネルギーを取り出すシステム。コ・ジェネあるいはコージェネとよぶこともあり、熱併給発電熱電併給ともいう。原動機としてガスタービンガスエンジンディーゼルエンジンを用いて動力や電力を得ると同時に、その排熱利用して蒸気温水冷水を得ることができるため、システム全体としてのエネルギー効率は、75~80%程度ときわめて高い。1980年代後半以降、おもに産業・民生用を対象として、急速に普及した。日本では、2018年(平成30)に全体としてコ・ジェネレーションの設備容量が1000万キロワットを超え、さらに普及拡大も期待されている。その背景には、地球的規模で重要課題となった環境問題への対応で、省エネルギーシステムとしてのコ・ジェネレーションに対する期待がある。また、分散型システムとしての防災対応やレジリエンス強化への期待も生まれている。他方、設備機器やメンテナンス等のコストを削減し、スマートコミュニティ等での活用で、熱・電力の面的利用(複数施設建物への効率的なエネルギーの供給等)を図ることなどの課題もある。

小山 堅 2022年1月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コ・ジェネレーション」の意味・わかりやすい解説

コジェネレーション
cogeneration

電力と有用な熱を同時に生産するシステムのことであり,熱・電併給システムとも呼ばれる。電力の代わりに動力を取り出す熱・動力併給も,広義コジェネレーションに含める場合もある。ディーゼルエンジン,ガスエンジン,ガスタービンの原動機により発電し,その排熱を取り出して給湯や冷暖房に利用する。最近急速に普及し,1989年9月までに民生用 (ホテル,病院など) が約 350件 (約 14万 kW) ,産業用が約 300件 (約 113万 kW) の導入実績がある。これは,商用系統との連係ガイドラインの制定 (86年8月) や,一建物内での電力特定供給認可 (87年 11月) など,法制度面でもコジェネレーションを導入しやすい環境になってきている。なお,燃料電池もコジェネレーションの一種であり,今後の発展が期待されている。

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