コジェネレーション

デジタル大辞泉 「コジェネレーション」の意味・読み・例文・類語

コジェネレーション(cogeneration)

《「コージェネレーション」「コゼネレーション」とも》
電気・熱・蒸気などを同時に発生させること。ガスタービンディーゼルエンジン発電する一方、その排熱を利用して給湯空調などの熱需要をまかなうなど、エネルギーを効率的に運用すること。熱電供給熱電併給。廃熱発電。
コジェネレーションシステム」の略。

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百科事典マイペディア 「コジェネレーション」の意味・わかりやすい解説

コジェネレーション

1種類の燃料から同時に2種類のエネルギーを供給すること。具体的には灯油重油ガスなどを用いて発電を行い,その際に生ずる排熱や冷却水を冷暖房や給湯に利用するシステムを指す。熱併給発電とも。通常の発電のエネルギー利用効率は40%程度だが,このシステムでは最大70〜80%の高効率で資源を有効活用できるため,1994年の新エネルギー導入大綱に基づき,政府新エネルギーの一つとして開発・導入を推進している。資源エネルギー庁の調査によると,1996年3月末までの導入状況は産業用が1489件,1423万kW,民生用が1002件,50万kW。これは国内の電力用発電設備の総発電容量の7.4%に相当する。消費地に立地するため送電線が不要などのメリットがありホテル,病院,山間・離島の集客施設などの導入拡大をめざしているが,大気汚染物質排出という問題も生じている。普及のためには低公害化,高効率化,コンパクト化などが課題
→関連項目ソフト・エネルギー地域熱供給発電

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コジェネレーション」の意味・わかりやすい解説

コ・ジェネレーション
こじぇねれーしょん
co‐generation

石油、天然ガス、LPガスなどの一次エネルギーから、動力と熱、あるいは電力と熱のように2種類以上の二次エネルギーを取り出すシステム。コ・ジェネあるいはコージェネとよぶこともあり、熱併給発電、熱電併給ともいう。原動機としてガスタービン、ガスエンジンやディーゼルエンジンを用いて動力や電力を得ると同時に、その排熱を利用して蒸気、温水や冷水を得ることができるため、システム全体としてのエネルギー効率は、75~80%程度ときわめて高い。1980年代後半以降、おもに産業・民生用を対象として、急速に普及した。日本では、2018年(平成30)に全体としてコ・ジェネレーションの設備容量が1000万キロワットを超え、さらに普及拡大も期待されている。その背景には、地球的規模で重要課題となった環境問題への対応で、省エネルギーシステムとしてのコ・ジェネレーションに対する期待がある。また、分散型システムとしての防災対応やレジリエンス強化への期待も生まれている。他方、設備機器やメンテナンス等のコストを削減し、スマートコミュニティ等での活用で、熱・電力の面的利用(複数の施設・建物への効率的なエネルギーの供給等)を図ることなどの課題もある。

[小山 堅 2022年1月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コジェネレーション」の意味・わかりやすい解説

コジェネレーション
cogeneration

電力と有用な熱を同時に生産するシステムのことであり,熱・電併給システムとも呼ばれる。電力の代わりに動力を取り出す熱・動力併給も,広義のコジェネレーションに含める場合もある。ディーゼルエンジン,ガスエンジン,ガスタービンの原動機により発電し,その排熱を取り出して給湯や冷暖房に利用する。最近急速に普及し,1989年9月までに民生用 (ホテル,病院など) が約 350件 (約 14万 kW) ,産業用が約 300件 (約 113万 kW) の導入実績がある。これは,商用系統との連係ガイドラインの制定 (86年8月) や,一建物内での電力特定供給認可 (87年 11月) など,法制度面でもコジェネレーションを導入しやすい環境になってきている。なお,燃料電池もコジェネレーションの一種であり,今後の発展が期待されている。

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