コピアポ(読み)こぴあぽ(英語表記)Copiapó

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コピアポ」の意味・わかりやすい解説

コピアポ
Copiapó

チリ中北部の都市。アントファガスタの南約 400kmにあり,コピアポ川にのぞむ。アタカマ砂漠南端の肥沃オアシス地帯で,インカ帝国時代にすでに農耕が行われていた。 1540年スペイン人によって集落が建設され,周辺一帯の砂漠の初期の探検基地となった。 19世紀前半,近くで金,銀の鉱山が発見されてから鉱業中心地として繁栄。 1850~51年に西北西約 60kmの太平洋岸にあるカルデラ港との間に鉄道が敷設された。 19世紀末から 20世紀初めにかけて一時停滞したが,その後銅鉱床の開発に伴って再び発展しはじめ,近郊に精錬所が建設された。チリ縦貫鉄道とパンアメリカン・ハイウェーが通る交通の要地で,アンデスを越えてアルゼンチンへ通じる道路が分岐する。人口7万 9268 (1992推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コピアポ」の意味・わかりやすい解説

コピアポ
こぴあぽ
Copiapó

南アメリカ、チリ北部、第3地域の首都サンティアゴの北680キロメートル、アタカマ砂漠南縁のコピアポ川中流沿岸に位置する。人口12万7712(2002国勢調査速報値)。1540年ごろからこの地での定住が開始された。周辺は乾燥地帯であるが、コピアポは肥沃(ひよく)な盆地のオアシスにある。周辺の鉱業(銅、鉄鉱石)生産の拠点でもあり、19世紀に繁栄し、いまもそのおもかげを残している。外港のカルデラCalderaに至る鉄道は南アメリカでももっとも古いものの一つ。郊外にはパイポテ銅精錬所がある。

[細野昭雄]

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