ゴーシェ病(読み)ゴーシェビョウ(その他表記)Gaucher's disease

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改訂新版 世界大百科事典 「ゴーシェ病」の意味・わかりやすい解説

ゴーシェ病 (ゴーシェびょう)
Gaucher's disease

脂質が全身諸臓器に蓄積する先天性代謝異常疾患を脂質蓄積症と総称するが,本症はその一種常染色体劣性遺伝により,細胞内リソソームに存在するβ-グルコシダーゼグルコセレブロシダーゼともいう)という糖脂質の分解排出に必要な酵素が欠損する結果,脾臓肝臓骨髄を主とする全身の網内系細胞にグルコセレブロシドという脂質が異常に沈着蓄積して巨大脾腫,肝腫,病的骨折,骨疼痛,貧血白血球減少,血小板減少などを呈する疾患である。骨髄中にはゴーシェ細胞という脂質を沈着した大きな特徴ある網内系細胞があらわれる。重症型では乳幼児期に発症し神経症状を呈して死亡するものもあるが,多くの例は慢性化する。適切な治療法はないが,ときに脾臓摘出が行われる。診断は白血球や皮膚繊維芽細胞の酵素活性測定による。これにより保因者検出も可能である。1882年フランスの医師ゴーシェP.C.E.Gaucher(1854-1918)によって独立疾患として報告された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴーシェ病」の意味・わかりやすい解説

ゴーシェ病
ゴーシェびょう
Gaucher's disease

1882年フランスの医師 P.ゴーシェ (1854~1918) が発表した脂質代謝異常症で,きわめてまれな遺伝性病気。β-グルコシダーゼという酵素が先天的に欠損し,このため肝,脾,骨髄,リンパ節などの細胞にセレブロシドという複合脂質が多量に蓄積する病気で,皮膚の色素沈着,強膜脂肪斑,肝臓や脾臓の腫れなどを主症状とする。

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栄養・生化学辞典 「ゴーシェ病」の解説

ゴーシェ病

 グルコセレブロシドが肝臓,脾臓,リンパ節などに集積する遺伝的疾患.これらの臓器の腫大や貧血,精神症状を起こす.グルコセレブロシダーゼの欠損が原因

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