グルコセレブロシダーゼの異常により、グルコセレブロシドが肝臓、脾臓、骨髄、重症型では脳にもたまり、それぞれの機能を障害する遺伝性の病気です。
グルコセレブロシダーゼの遺伝子異常が原因で、常染色体劣性遺伝します。
重症型では、乳児期から肝臓、脾臓が腫脹し、けいれんが現れて進行し、早期に死亡します。軽症型では神経症状は認められず、肝臓、脾臓の腫脹、骨痛、骨折などが認められます。中間の経過をたどる患者さんもいます。
骨髄に泡沫細胞およびリンパ球の空胞化が認められます。リンパ球や培養細胞を用いて酵素活性を測定し、診断します。
重症型には有効な治療法はなく、軽症型では骨髄移植療法や酵素補充療法が行われます。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
脂質が全身諸臓器に蓄積する先天性代謝異常疾患を脂質蓄積症と総称するが,本症はその一種。常染色体劣性遺伝により,細胞内リソソームに存在するβ-グルコシダーゼ(グルコセレブロシダーゼともいう)という糖脂質の分解排出に必要な酵素が欠損する結果,脾臓,肝臓,骨髄を主とする全身の網内系細胞にグルコセレブロシドという脂質が異常に沈着蓄積して巨大脾腫,肝腫,病的骨折,骨疼痛,貧血や白血球減少,血小板減少などを呈する疾患である。骨髄中にはゴーシェ細胞という脂質を沈着した大きな特徴ある網内系細胞があらわれる。重症型では乳幼児期に発症し神経症状を呈して死亡するものもあるが,多くの例は慢性化する。適切な治療法はないが,ときに脾臓摘出が行われる。診断は白血球や皮膚繊維芽細胞の酵素活性測定による。これにより保因者検出も可能である。1882年フランスの医師ゴーシェP.C.E.Gaucher(1854-1918)によって独立疾患として報告された。
執筆者:三輪 史朗
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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