複合脂質(読み)ふくごうししつ

精選版 日本国語大辞典 「複合脂質」の意味・読み・例文・類語

ふくごう‐ししつ フクガフ‥【複合脂質】

〘名〙 脂質一種アルコール脂肪酸エステルの中で燐酸・窒素化合物、糖、硫酸などを含むもの。燐脂質糖脂質硫脂質などに分けられる。生体組織に広く分布する。特に脳組織に多く含まれる。

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デジタル大辞泉 「複合脂質」の意味・読み・例文・類語

ふくごう‐ししつ〔フクガフ‐〕【複合脂質】

脂肪酸とアルコールのみからなる単純脂質に対し、ほか燐酸りんさん糖類窒素化合物などが含まれる脂質。燐脂質・糖脂質など。生体に細胞膜の構成成分などとして分布。

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化学辞典 第2版 「複合脂質」の解説

複合脂質
フクゴウシシツ
compound lipid, conjugated lipid, complex lipid

脂質の分類で単純脂質に対するもので,単純脂質を形成する長鎖脂肪酸およびアルコールのほかに,リン酸硫黄,窒素塩基あるいは糖などを含む脂質をいう.一般に,単純脂質はアセトンに可溶であるが,複合脂質は不溶で,親油性と親水性の両親媒性を示す.生体膜を構成する脂質が代表的なものであるが,複雑な構造をもつ細胞の構成成分であり,溶媒分画法やクロマトグラフィーにより分離精製されてきた.近年,次の4種類に分類されるようになってきている.
(1)グリセロリン脂質(ホスファチジルコリンなど),
(2)スフィンゴリン脂質(スフィンゴミエリンなど),
(3)グリセロ糖脂質(セミノリピドなど),
(4)スフィンゴ糖脂質(セレブロシドなど).

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「複合脂質」の解説

複合脂質

 単純脂質の対語.C,H,Oからなるアルコールや脂肪酸を単純脂質というのに対して,Pをもつリン酸やNを含むアミンなどを分子内にもつ脂質.グリセロリン脂質,スフィンゴリン脂質,グリセロ糖脂質,スフィンゴ糖脂質など.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「複合脂質」の意味・わかりやすい解説

複合脂質
ふくごうししつ

脂質」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の複合脂質の言及

【脂質】より

…これには脂肪,蠟,ステロールエステルなどが含まれる。(2)複合脂質complex lipid 脂肪酸とアルコールのほかに,リン,硫黄,窒素塩基,あるいは糖などを含むエステルで,リン脂質糖脂質が含まれる。(3)誘導脂質derived lipid 以上の物質が加水分解して生じるもの。…

※「複合脂質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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