サウス・ジョージア島(読み)さうすじょーじあとう(英語表記)South Georgia

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サウス・ジョージア島」の意味・わかりやすい解説

サウス・ジョージア島
さうすじょーじあとう
South Georgia

南大西洋南西部の南緯54度15分、西経36度45分にある山がちの島。長さ約200キロメートル、幅約40キロメートル。氷河に覆われたペジット山Mount Paget(2900メートル)が最高点。気候は寒冷多湿で、曇天の日が多い。海岸には植物がみられ、アザラシや鳥類もすむ。17世紀末から航海者が視認しており、1775年にジェームズ・クックが探査し、イギリス国王ジョージ3世の名にちなんで命名した。1904年からの捕鯨基地グレトビッケンは、一時日本も操業したが、65年に廃止された。イギリス南極局の観測基地が置かれている。政治的にはイギリス領フォークランド諸島(アルゼンチン名マルビナス諸島)に属するが、アルゼンチンも領土権を主張しており、82年3月には、フォークランド紛争に伴ってアルゼンチンが占領するという事件があった。

[楠 宏]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サウス・ジョージア島」の意味・わかりやすい解説

サウスジョージア島
サウスジョージアとう
South Georgia Island

南大西洋南部にある島。イギリス領フォークランド諸島の東南東約 1300kmに位置し,その属島となっている。山がちな島で,最高点 2934m。南極圏近く,一年の大半は雪におおわれ,ツンドラが広がる。 1775年 J.クックによって発見され,1916年南極探検途上の E.シャクルトンが横断したが,内陸部が本格的に踏査されたのは 64~65年。面積 3755km2。かつては捕鯨基地があり,64年には 500人前後の住民がいたと推定されるが,65年の捕鯨中止に伴いほとんど無人となった。

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