サナエタデ（読み）さなえたで

日本大百科全書(ニッポニカ)

サナエタデ
さなえたで / 早苗蓼
[学] Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. incana (Roth) H.Hara
Polygonum scabrum Moench

タデ科（APG分類：タデ科）の一年草。茎は直立し、分枝して高さ30～60センチメートル、毛はない。葉は互生し、披針(ひしん)形で先端はとがり、両面の中央脈上に剛毛をまばらにつけ、裏面には白い綿毛をやや密につける。葉鞘(ようしょう)は筒状で膜質、普通は縁毛がない。5～6月、短円柱形の花穂に白または淡紅色の小花を密につける。花被片(かひへん)は4～5枚、脈が顕著で、先は2裂して反り返る。痩果(そうか)は扁平(へんぺい)な円形、黒褐色で光沢がある。田畑の縁や道端に多く生え、北海道から九州、および北半球に広く分布する。名は、田植のころに花が開くのでいう。

［小林純子　2020年12月11日］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

サナエタデ(早苗蓼)
サナエタデ
Persicaria lapathifolia(Polygonum lapathifolium); pale persicaria

タデ科の一年草で，田畑に多い。草丈は 30～60cmでまばらに分枝する。葉は長さ 10cmあまりあり，幅も比較的広い。裏面に白い毛が目立つものが多い。春から初夏にかけて，短い穂状花序を出し，淡紅色の小花を密につける。田植えの頃花が咲くのでこの和名がある。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内のサナエタデの言及

【イヌタデ】より

…新石器時代には堅果を食用にした。オオイヌタデP.lapathifolium L.ssp.nodosum Kitam.（イラスト）とサナエタデP.lapathifolium L.（イラスト）は中間型もあり，種内変異は十分には整理されていない。前者は直立し，高さ50～150cm，葉鞘は無毛で赤い脈がある。…

※「サナエタデ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」