サルマティズム(英語表記)sarmatyzm

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サルマティズム」の意味・わかりやすい解説

サルマティズム
sarmatyzm

17世紀初め頃から 18世紀中頃にかけてポーランドで有力であった文化潮流。中央アジアのイラン系遊牧民族サルマティア人 (→サルマート ) がポーランド貴族 (→シュラフタ ) の祖先であるという伝説に由来。西ヨーロッパのバロックに対応。ポーランド国家の経済的・政治的衰退期,反宗教改革期に一致した。西ヨーロッパと異なって国王宮廷や都市ではなく,主として大貴族の城館,小貴族の屋敷が文化活動の中心をなした。文学,音楽,演劇造形美術,建築などにおいてみるべきものが少くないが,一般に外来の文化・政治・宗教体系に対する不寛容,伝統主義,自己満足,現状肯定,身分的・民族的誇大妄想,外国人排斥などによって特徴づけられる。

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