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最後の審判 さいごのしんぱん Last Judgement

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

最後の審判
さいごのしんぱん
Last Judgement

神もしくは神的存在が,その義に照して人間の思い,言葉,行いを裁くことを裁き,審判という。これが世界の終末に全人類に対してなされるとき最後の審判と呼び,カトリックなどでは各自の臨終に行われるいわゆる私審判に対して公審判と呼ぶ。

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デジタル大辞泉の解説

さいご‐の‐しんぱん【最後の審判】

キリスト教の教義上の、世界の終末における人類の罪に対する神の審判。キリストが再臨して死者も生者も裁かれ、天国と地獄とに所属が分けられる。絵画ではミケランジェロシスティナ礼拝堂壁画が名高い。公審判。

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百科事典マイペディアの解説

最後の審判【さいごのしんぱん】

聖書的宗教,とりわけキリスト教における重要概念。英語でThe Last Judgement。世界の終末時に神が人類に下す裁きをいい,メシア救世主)の到来とともに行われるという。
→関連項目オータン大聖堂コルネリウスコンク聖堂システィナ礼拝堂シニョレリ終末観救い(宗教)千年王国バンベルク大聖堂ファン・レイデンミケランジェロ

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デジタル大辞泉プラスの解説

最後の審判

イタリアの彫刻家・画家・建築家ミケランジェロの絵画(1536-41)。原題《Giudizio universale》。ローマ教皇パウルス3世の命により制作された、バチカンシスティナ礼拝堂の祭壇のフレスコ画。世界の終りにキリストが再臨し、人々を裁く「最後の審判」の場面を描いたもの。ミケランジェロ晩年の傑作として知られる。

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世界大百科事典 第2版の解説

さいごのしんぱん【最後の審判 The Last Judgement】

世界の終末において,神が人類の罪を審(さば)くという聖書に独自な思想で,旧約聖書新約聖書とで,それぞれ共通な面とともに相違もある。旧約聖書においては時代によって変遷があり,初期には,罪を犯した者に対して直ちに罰が下され,その審きが後代にまで続くことが述べられている程度である。後代になるとしだいに〈審きの日〉の思想が生まれてくるが,それも最初はイスラエルの敵に対してだけ襲うものであるとされた。預言者の時代になると,審きはイスラエルの敵ばかりではなく,イスラエル人に対しても向けられたものと理解される。

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大辞林 第三版の解説

さいごのしんぱん【最後の審判】

キリスト教で、世界の終末にイエス-キリストが再臨して人類を裁くという教義。ヨハネの黙示録などに示され、しばしば宗教画の題材とされる。特にバチカンのシスチナ礼拝堂のミケランジェロが描いた壁画が有名。公審判。世界審判。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

最後の審判
さいごのしんぱん

現世界の悪が究極的に神によって審(さば)かれるという「最後の審判」の思想は、古くはゾロアスター教や古代イスラエルの預言者にみられる。ゾロアスター教においては、究極的に悪神およびそれに率いられる悪霊は善神アフラ・マズダーに征服される、と信ぜられるが、とくにゾロアスターの没後3000年を経て、彼の子孫から救世主が出現し、彼によって最後の審判が、死者も含め全人類に行われ、悪はすべて滅ぶ、といわれる。古代イスラエルにおいて「その日」というのがあって、元来「救いの日」として楽観的に考えられていたが、前8世紀の預言者アモス以降、それは恐るべき審判の日と解釈され、宗教的、倫理的罪ゆえに過酷きわまりない神の審きが地上に行われると告げられた。続くユダヤ教の黙示文学においては、神による最後の審判は神話的表象をもって描かれ、怪物や獣などによって表象される神に背く勢力は、最終的に打ち負かされ滅びに至る。イスラム教において、最後の審判の日には、天変地異を伴い、すべての人々やジン(鬼神)が審判の座の前に召集され、各人の言行が秤(はかり)で量られ、「嘉(よみ)された者」には右手に、永劫(えいごう)の罰を受ける者には左手に、それぞれ生前の行為が記された書が手渡されるという。
 このような最後の審判の思想は、人間の社会生活が複雑になり、とくに倫理的な矛盾が容易に解釈しえなくなるとき(たとえば義人が苦しみ、悪人が栄えるがごとき)、そのような矛盾の究極的止揚として、社会倫理的色彩の濃い、しかも直線的歴史観をもつ宗教に現れるものである。それゆえ、「最後の審判」の神話的もしくは思弁的内容のみならず、その思想の果たす社会倫理的機能にも注目すべきである。
 キリスト教においても、最後の審判の思想はユダヤ教から受け継がれ、キリストの再臨のときと結び付けて語られる(たとえば「ヨハネ黙示録」)。しかしキリスト教に特徴的な審判思想は、罪なき神の子イエス・キリストが、十字架上で罪人の身代りとして神の審判を身に受けたという点である。人間は神の子のこの審判のゆえに、もはや罪を許されて審かれることなく、永遠の生命を与えられる、というのである。[月本昭男]

美術

キリスト教美術において、審判者イエス・キリストを中心に死者のよみがえり、義人と罪人の選別、天国および地獄などを上下左右に配したいわゆる最後の審判図は、9世紀ないし10世紀以降に登場する。もちろんそれ以前にも、たとえば羊と山羊(やぎ)を選別するキリストといった象徴的な審判図はあったが、「福音書(ふくいんしょ)」(マタイ、24~25章)および「ヨハネ黙示録」を典拠とする壮大な審判図は、ビザンティン美術において写本挿絵や教会壁画が示すように、9世紀から10世紀にかけて準備され、11世紀に定型化したものとみなされている。西ヨーロッパの中世美術では、10~11世紀の明らかにビザンティン美術の影響下に制作されたものはさておき、12世紀以降のロマネスクおよびゴシック美術のティムパヌム(破風(はふ)の三角壁)彫刻にしばしば最後の審判図が認められるようになる。
 ジョットやフラ・アンジェリコをはじめとするイタリア・ルネサンス期の画家たち、メムリンクやションガウアーなどの北方ルネサンスの画家たちも多くの作品を残しているが、この時期の最大の傑作は、ミケランジェロが1541年にバチカンのシスティナ礼拝堂に描いた最後の審判図であろう。[名取四郎]
『O・クルマン著、前田護郎訳『キリストと時』(1954・岩波書店)』

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世界大百科事典内の最後の審判の言及

【地獄】より


[美術と文学における地獄の主題]
 西洋で地獄が造形芸術の対象となるのは中世以後で,キリスト教以前の多神教時代の遺品には地獄を主題とした見るべき作品はほとんどない。中世キリスト教美術では,〈最後の審判〉図の中に審判者キリスト,大天使ミカエル,善人と悪人の群れとともに天国と地獄の図を表現することが行われ,ロマネスクとゴシックの教会堂西正面のタンパン浮彫にその例を見る。ダンテの《神曲》以後,地獄を主題とした美術作品が多くあらわれるようになるが,これらは中国や日本の現実的な地獄描写と異なり,残酷さを強調せず,むしろ絵画または彫像としての独自の芸術性を追求している。…

【罪】より

…そこで罪は身体的なものと精神的なもの,具体的なものと抽象的なものという両極をもつが,P.リクールが《悪の象徴論》(1960)第1部で論じるように,高次のものは低次のものを含み,これを象徴化しているといえる。さらにこの書の第2部が扱う原罪と〈最後の審判〉という観念があるが,これらは歴史の始めと終りのできごととして何ほどか神話的表現を避けられない。罪は存在の限界をなすといってよく,創造の否定たる死と無につらなっている。…

【天国】より

…ユダヤ教についてみれば,ユダヤ教徒が天国を神の定めた律法にかなった正しい人の死後の世界と考えるようになったのは前3世紀から前2世紀にかけてのことであり,この時期にメシアの支配をめぐる天国の観念がユダヤ教の教師(ラビ)によって体系化されていった。その結果,生前正しく生きた人は,パラダイスで神との生活に入るよう定められるのに対し,悪しき人は,死後行われる〈最後の審判〉において,肉体の死に続いて魂の死という第2の死を経験し,永遠の苦悩にさいなまれるという思想が民衆の間に固定化していった。 ユダヤ教の流れをひくキリスト教には,こうした天国の思想が当然色濃く反映しているが,しかし,それとは違った新しい解釈が新約聖書の著者たちによって表出され,全体としてユダヤ教とは異なる独自の観念が展開されている。…

【罰】より

… キリスト教では,罰は神の権威によって下された。旧約聖書では律法に対する違犯は律法にもとづいて罰せられるとしたが,新約聖書では,とくに〈最後の審判〉のときに神によって下される永遠の刑罰が重要視された。またインドでは,一般に業(ごう)(行為,カルマン)の理論と因果応報の観念が成立することによって,現世における悪しき行為はそれにふさわしい報い(罰)をうけるという考えが発達し,それが世俗法(《マヌ法典》)と宗教法(仏教の〈律〉)に影響を与えた。…

【黙示文学】より

…これら二つの二元論的見方は互いに関連している。すなわち,今の世では罪人が支配し,義人は苦難を強いられているが,終末に際し神により〈最後の審判〉が行われ,両者の運命は逆転し,悪人は滅ぼされ,義人は新しい世での至福の生活に入れられる。なお,終末時にはすでに死んでいた義人が復活して永遠の生命を与えられる,ないしは,義人も罪人も皆復活して審判を受けるとされる。…

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