ポライウオロ(英語表記)Pollaiuolo, Antonio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポライウオロ」の意味・わかりやすい解説

ポライウオロ
Pollaiuolo, Antonio

[生]1429/1430
[没]1498
イタリア,フィレンツェ派の金工家,彫刻家,画家ドナテロとカスターニョの弟子で,バルドビネッティの影響も強い。金工家として出発し,のち青銅彫刻を学び,1460年頃から弟ピエロ (1443~98) とともに絵画活動も始める。絵は,初めカスターニョの影響による印刻的な線描表現をしていたが,ガリーナ・ビラの壁画『踊る裸人』を描いた頃から,人体に対する解剖学的関心と古代芸術への興味を示しはじめ,その後の『アンタイオスと戦うヘラクレス』 (ウフィツィ美術館) ,と『ヒドラと戦うヘラクレス』 (同) では,深い解剖学知識を駆使して激しい動きと複雑な姿態を迫真的に描写。『ダビデ』 (ベルリン国立美術館) のような優雅な姿態描出や『婦人横顔像』 (ミラノ,ポルディ・ペッツォーリ美術館) の洗練された線の手法も持合せていた。さらに,『聖セバスチアヌスの殉教』 (ロンドン,ナショナル・ギャラリー) ,『アポロンダフネ』 (同) の背景にみられるように,自然の実感に即した新鮮な風景描写もよくした。彫刻においても,『アンタイオスと戦うヘラクレス』 (バルジェロ国立美術館) のような自然主義的作品があるが,さらにローマで,弟ピエロも参加して制作した教皇シクスツス4世とインノケンチウス8世の両墓碑は,青銅技術の非常な多様性で墓碑構成に新境地を開いた。

ポライウオロ
Pollaiuolo, Piero

[生]1443頃.フィレンツェ
[没]1496. ローマ
イタリアの画家。彫刻家アントニオの弟で,A.バルドビネッティの弟子と思われる。作品はサン・ジミニャーノのサンタゴスティーノ聖堂の『聖母戴冠』 (1483) ,フィレンツェのウフィツィ美術館の『七美徳寓意像』 (69~90) などがある。

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