CIF（読み）しーあいえふ

日本大百科全書(ニッポニカ)

CIF
しーあいえふ

cost insurance and freightの略称。運賃保険料込み渡しのことで、貿易取引において、FOBとともにもっとも多用されている取引条件の一つ。

　CIF条件CIF termsで輸出契約を結んだ輸出業者（売り手）は、約定品（輸出貨物）の仕入れ値段に、輸出に要する諸費用、輸出港（積出し港）の本船に積み込むまでの費用costと危険を負担する（FOB）ほか、仕向地（積卸し港）までの海上運送中に起こるかもしれない海上危険についての保険insuranceの保険料と、海上運賃freightを負担する。このFには契約期間内に船積みする義務、完全な船荷証券（BL）を取得して提供する義務を負わせるなどの条件が含まれる。以上の運賃、保険料を輸出貨物に加算したものがCIF値段である。売り手は、約定品を船積みし、それに保険をつけ、BLを買い手（輸入業者）に提供することによりその義務を果たし、買い手はその船積み以後の危険を負担し、BLと引き替えに代金を支払うことによりその義務を履行することになる。CIF条件には、CIF＆C（運賃保険料および手数料込み）、CIF＆E（運賃保険料および為替(かわせ)費用込み）などの変形CIFがある。

［鳥谷剛三］

[参照項目] | FOB

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

CIF
シーアイエフ
cost， insurance and freight

運賃保険料込み条件のことで，貿易取引契約における方式の一つ。船積みまでの費用を含めた売買される商品のコスト (FOB原価) に，到着地までの保険料と運賃を加えた価格条件により取決めた貿易契約のこと。船積み書類の受渡しによって商品の所有権の移転が成立し，代金の決済はその後に行われる。なお，これにより売主は到着地までの費用負担をさせられるが，これらの義務を果せば，船積み以後の危険負担は買主の手に移る。 FOBとともに最も広く行われている貿易取引条件である。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典