改訂新版 世界大百科事典 「シャウプ」の意味・わかりやすい解説
シャウプ
Carl Sumner Shoup
生没年:1902-2000
アメリカの財政学者。カリフォルニア州サノゼに南カリフォルニア鉄道の社長を父として生まれる。スタンフォード,コロンビアの両大学に学ぶ。1930年コロンビア大学から博士号取得,同大学で1928年講師,45年教授となったが,71年の引退まで一貫して同大で財政学,経済学,国民所得論等の教鞭をとる。アメリカ租税協会と国際財政学会の会長を務め,アメリカ経済学会特別功績会員。またアメリカ財務省顧問,国連顧問,EEC財政金融委員会委員や,シャウプ税制使節団,ベネズエラ,リベリア各税制調査団の各団長を務め,アメリカはもとより各国の税制改革に実務面でも理論面に並ぶ貢献をした。とくに49-50年にシャウプ使節団団長として来日してまとめた日本税制改革案(いわゆるシャウプ勧告)は50年に国税・地方税を含む根本的改正として実現し,現在に至るまで日本の税制の基盤となっている。広範な知識と実務経験に基づいて税制における理論と実践の融合に成功した点に,彼の業績の特徴がみられる。
執筆者:柴田 弘文
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報