ティエール(読み)てぃえーる

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ティエール」の意味・わかりやすい解説

ティエール
Thiers, (Louis-) Adolphe

[生]1797.4.18. マルセイユ
[没]1877.9.3. セーヌエオアーズ,サンジェルマンアンレ
フランスの政治家,歴史家。大学では法律を学び,1821年パリに出てブルジョア共和派の機関誌『ナショナル』を発行したが,30年の七月勅令に抗議し七月革命発端をつくった。 34年と 40年に首相をつとめた。 48年二月革命後保守派の指導者となり,大統領選挙ではナポレオン3世に投票したが,共和派の勢力弱体化をねらう反動立法に賛成してナポレオンと対立,51年 12月のクーデター後亡命。 53年帰国し,その後 10年間は引退生活をおくりつつもオルレアン王朝派と手を握り,第二帝政の内外政策をきびしく糾弾した。国防政府の崩壊後,71年2月 17日議会よりフランス共和国行政官に任命され,普仏戦争処理のためにドイツとフランクフルト講和条約を批准した。同年3月 18日パリ・コミューンが起ると,ベルサイユに逃れ,ビスマルクの援助を受けてパリ・コミューンを崩壊させ,同年8月大統領に就任。彼はフランスの再建を考え,共和政を主張したが,王党派の攻撃を受けて 73年5月失脚。歴史家としては『フランス革命史』 Histoire de la Révolution française (10巻,23~27) と『統領政府と帝政の歴史』 Histoire du Consulat et de l'Empire (20巻,45~62) の著書がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ティエール」の意味・わかりやすい解説

ティエール
てぃえーる

チエール

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