日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュリ」の意味・わかりやすい解説
シュリ
しゅり
Maximilien de Béthune, duc de Sully
(1560―1641)
フランスの財政家。新教徒貴族の家に生まれる。12歳のときからアンリ4世に仕え、もっとも信頼された臣下。1598年財政長官となり、減税と不要官職の整理を行い、国庫収入を増やし、経済振興のために穀物、ぶどう酒輸出の自由化や道路、橋、運河建設を進め、とくに「農耕と牧畜はフランスを育(はぐく)む二つの乳房」と主張して農牧業を奨励した。1606年公爵領を与えられたが、1610年のアンリ4世の暗殺を機に政治生活を終えて、1616年に引退した。1634年元帥となり、1641年12月22日死去した。晩年、アンリ4世治世に関する『メモアール(回想録)』を書き残した。
[千葉治男]