日本大百科全書(ニッポニカ) 「シラネニンジン」の意味・わかりやすい解説
シラネニンジン
しらねにんじん / 白根人参
[学] Tilingia ajanensis Regel
セリ科(APG分類:セリ科)の多年草。根は太く、茎は高さ10~40センチメートル。葉は光沢があり、2~3回羽状複葉、鋸歯(きょし)の幅は1~3ミリメートルであるが、変異が大きい。葉がとくに細く切れ込む品種をホソバシラネニンジンという。葉柄の基部は鞘(さや)状に膨らむ。7~8月、散形花序をつくり、白色花を開く。果実は卵形で長さ約3ミリメートル、脈状に5本の稜(りょう)がある。高山の草原に生え、中部地方以北の本州、北海道、および中国、アリューシャン列島、樺太(からふと)(サハリン)、シベリアに分布する。日光白根山で発見され、根がニンジンに似るのでこの名がついた。シラネニンジン属は東アジア特産で、5種からなり、日本には3種が分布する。
[門田裕一 2021年11月17日]