シルピンスキ(その他表記)Sierpiński, Wacław

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シルピンスキ」の意味・わかりやすい解説

シルピンスキ
Sierpiński, Wacław

[生]1882.3.14. ロシア帝国,ワルシャワ
[没]1969.10.21. ポーランド,ワルシャワ
ポーランドの数学者。点集合論(→点集合)と位相数学(→トポロジー)における研究の第一人者。ポーランド学派の数学の創始者の一人。1904年ワルシャワ大学卒業。1908年世界にさきがけて集合論の講義を行なった。第1次世界大戦中,ポーランドが独立することを見越して,ジグムント・ヤニシェフスキ,ステファン・マズルケビッチと将来のポーランドの数学について構想した。それはワルシャワとリボフを拠点に,集合論,位相数学,実変数関数論(実関数論)および論理学重点をおくものであった。これらの分野において,きわめて豊かで基本的な数学研究の潮流が誕生した。これはポーランド学派と呼ばれ,第2次世界大戦の時期まで続いた。シルピンスキ自身の研究は,集合論と位相数学の広範な分野にわたっており,晩年には整数論についても業績を上げた。特に実数全体の集合連続体)を位相的に特徴づける研究に傾注し,その過程で予期せぬ特徴をもつ位相空間の例を多く見出した。最も有名なものが 1915年に発表したシルピンスキ・ガスケットである。シルピンスキ・ガスケットは自己相似性(→相似)をもつフラクタル図形の典型的な例である。このようなフラクタル図形は,携帯電話に内蔵されたアンテナなどにも応用されている。

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