シロイワヤギ(その他表記)Oreamnos americanus

改訂新版 世界大百科事典 「シロイワヤギ」の意味・わかりやすい解説

シロイワヤギ (白岩山羊)
Oreamnos americanus

外形ヤギに似た偶蹄目ウシ科ヤギ亜科の哺乳類。北アメリカロッキー山脈分布体長1.2~1.6m,尾長10~20cm,体高90~105cm,体重46~140kg。体毛は密で厚く,白色ないし黄白色。角は黒く,雌雄にある。ヤギと違って角の後方に角腺があり,角の断面円形眼下腺はない。ヨーロッパのシャモア近縁。色またはすみ場所からmountain goat,white goat,snow goatなどといわれる。高山の岩地に少数の群れですみ,夏は高所に,冬は低所に移動する。木の葉を主食とするが高山植物や地衣類,コケ類も食べる。交尾期は11月で,雄どうしで戦い,なわばりをつくる。妊娠期間は147~178日で,ふつう2年に1回,1産1~2子を生む。野生での寿命は14~18年。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シロイワヤギ」の意味・わかりやすい解説

シロイワヤギ
しろいわやぎ / 白岩山羊
Rocky mountain goat
[学] Oreamnos americanus

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。北アメリカのロッキー山脈、北緯44~65度の範囲にあるブリティッシュ・コロンビア、アルバータアイダホモンタナなどに分布する。ロッキーヤギまたシロカモシカともよばれる。頭胴長130~160センチメートル、肩高90~110センチメートル、体重80~140キログラム。体形は肩がこぶ状に高まり、腰のほうが低弱である。足は太くて頑丈。角(つの)は雌雄ともにあり、最長29センチメートルで後方に曲がりサーベル状。角の後方に1対の腺(せん)があり、眼下腺と蹄間(ていかん)腺は退化する。被毛は黄白色で、夏毛は短く、冬毛は長く垂れ下がり、下毛は密な羊毛状となる。鼻境、角、ひづめは黒い。雌雄ともあごひげがある。高山性で、森林限界上部の岩石地帯に2~20頭ぐらいの小群で生活し、岩登りが巧みである。蘚苔(せんたい)類、地衣類をはじめ草や低木の枝などを主食とする。繁殖期は4月から5月ごろで、1産1~2子を産む。妊娠期間約147日。ピューマ、オオカミなどが幼獣を襲うが、最大の敵は春先の雪崩(なだれ)である。

[北原正宣]

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小学館の図鑑NEO[新版]動物 「シロイワヤギ」の解説

シロイワヤギ
学名:Oreamnos americanus

種名 / シロイワヤギ
別名 / マウンテンゴート
科名 / ウシ科
解説 / 白く長い体毛が特ちょうです。岩登りが上手で、単独または小さな群れでくらします。
体長 / 1.2~1.6m/肩高90~120cm
体重 / 45~140kg、オスのほうが大きい
食物 / 草、木の葉
分布 / ロッキー山脈の草地

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シロイワヤギ」の意味・わかりやすい解説

シロイワヤギ
Oreamnos americanus; mountain goat

偶蹄目ウシ科。体長 1.5m,体高 1m内外。ヤギという名がついているが,カモシカに近縁の動物である。 30cm近い黒色の角をもつ。肩の部分が瘤のように高まり,ヤギのように顎ひげがある。体色は白または黄白色。岩登りが巧みで,高山の森林限界付近で1対または小群で生活する。北アメリカのロッキー山脈を中心に分布する。

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