翻訳|distemper
イヌを冒すウイルス性伝染病で,直接,間接の接触によって伝播(でんぱ)する。潜伏期は1~2週間で,初め40℃以上の高熱を発し,すぐ下がるが一両日以内に再度高熱を発し,二峰性熱形を示すのが特徴である。2度目の発熱時に臨床症状が明らかになり高熱が続く。古くは幼犬が冒されるのが特徴とされていたが,現在は抗体価(抵抗性)の下がった壮老齢犬もしばしば冒されている。定形的な症状は食欲減退,元気消失に始まり,膿性鼻汁,目やに,咳など上部気道から気管支肺炎を起こす呼吸器型,嘔吐,下痢,血便などを現す消化器型,けいれん,沈うつ,狂騒などの症状を現す神経型などがある。しかし,現在では定形的症状を現す症例はむしろ少なく,突如として神経症状を現して急死するもの,突然,元気食欲が消失し,明りょうな症状を示さずに数日を経過して死亡するものなど種々で,診断は必ずしも容易ではなくなっている。予防はワクチン接種が効果的である。通常,母犬から譲られた抵抗力(移行抗体)が消滅する時期(2~3ヵ月齢)にワクチンを2,3回獣医師に接種してもらえば,この疾病に冒されることはほとんどない。しかし,これによって得た抵抗力は永久ではないので,以後毎年1回,抵抗力強化のためのワクチン再接種の反復が望ましい。これを怠ったためと思われる壮老齢犬の発病例はかなり多い。
執筆者:一木 彦三
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食肉類に属する動物のうち、イヌ科、イタチ科、一部のアライグマ科が感染するウイルス病。鼻炎、発熱のほか、消化器型、呼吸器型の症状を呈するが、脳炎をおこしたり、神経型の症状を示すと致死率が高い。感染して3~6日の潜伏期ののち、鼻汁を出し、くしゃみをする。40℃以上の発熱と白血球の減少もみられる。予防法としては弱毒生ワクチンやアデノウイルスとの混合生ワクチン、さらにアデノウイルス、弱毒パラインフルエンザ、犬パルボウイルス、レプトスピラ病の乾燥ワクチンに不活化ワクチンを加えた8種類の病気のワクチンも使用されている。この病気はウイルス感染と同時に細菌感染があるので、高度免疫血清の大量投与と抗生物質、サルファ剤、対症療法を併用する。
[本好茂一]
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…しかし15世紀中期以後油絵が絵具の主流を形成するようになるとともに,卵,膠(にかわ),アラビアゴム,麦糊,カゼインなどを用いた水性絵具の総称に意味が転じた。この用語法は18世紀中ごろまでごく一般的で,フランス語ではデトランプdétrempe,英語ではディステンパーdistemperの表記を用いた。しかし,18世紀にグアッシュ,水彩が技法として独立した評価を受けるようになると,〈テンペラ〉は一時,死語あるいはイタリア語のみの地方的表現になった。…
※「ジステンパー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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