じゃんがら念仏(読み)ジャンガラネンブツ

デジタル大辞泉 「じゃんがら念仏」の意味・読み・例文・類語

じゃんがら‐ねんぶつ【じゃんがら念仏】

福島県いわき市付近一帯で、8月15日ごろに行われる民俗芸能念仏踊り一種で、腰につけた太鼓を打つ数人を中にして、かねを打つ数人が円陣をつくって踊る。

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精選版 日本国語大辞典 「じゃんがら念仏」の意味・読み・例文・類語

じゃんがら‐ねんぶつ【じゃんがら念仏】

  1. 〘 名詞 〙 福島県いわき市付近の民俗芸能の一つ江戸時代浄土宗の祐天上人が布教方便にはじめたと伝え、盆に屋外で、または新盆の家を回って踊られる念仏踊り。鉦(かね)と太鼓に笛を用いる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「じゃんがら念仏」の意味・わかりやすい解説

じゃんがら念仏
じゃんがらねんぶつ

福島県いわき市を中心に行なわれている念仏踊。8月13~15日に,新盆の家々を回って踊る。踊り手は,ゆかたにはちまき,しろだすきに手甲,白足袋姿の若者で,弓張ちょうちん 1人,太鼓打ち 3人,叩き(鉦きり)10人前後で構成される。ちょうちんを先頭に庭に入り,盆棚に一礼したあと,一列に並んだ太鼓打ちを鉦叩きが取り囲むような陣形を組んで,約 20分かけて踊る。「ハーハイモーホーホーイ,ワーハーハーイ,メーヘーヘーグ」などと唱えたあとに,歌に合わせて合掌するような所作を含む「念仏」や,かけ声とともに鉦と太鼓を激しく打ち鳴らして踊る「ぶっかけ」などの踊りがある。江戸時代末までは,女装,男装,裸やさまざまな仮装の男女が入り乱れて夜更けまで踊ったり,野卑な歌がうたわれていたことが知られている。踊りの起源については,江戸時代初期,土地出身の祐天上人が南無阿弥陀仏名号を歌に織り込んで布教のために始めたとも,17世紀の中頃に,用水を建設して農民たちを救った沢村勘兵衛の霊を慰めるために,当時江戸ではやっていた泡斎念仏をもとにして踊ったのが始まりとも伝えられる。「じゃんがら」という名は,鉦と太鼓の音からきていると考えられる。同名の念仏踊に長崎県平戸市の「ジャンガラ」がある。

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