ジョージ朝建築(読み)ジョージちょうけんちく(その他表記)Georgian Architecture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョージ朝建築」の意味・わかりやすい解説

ジョージ朝建築
ジョージちょうけんちく
Georgian Architecture

イギリスと,アメリカにおけるイギリス植民地とにおいて 18世紀に制作された建築とその様式をさす。より厳密には,イギリスではジョージ1世からジョージ4世までの時代 (1714~1830) の建築とその様式をいう。 18世紀前半,アンドレア・パラディオの諸作品の影響を強く受けたパラディオ主義が興隆した。多くはカントリーハウスで,安楽さよりは形式性が重視され,ウィリアム・ケントウッド父子がその代表である。小規模なカントリーハウス,都市住宅も建設されたが,その多くは煉瓦造りで,正確な比例と簡素な外観装飾,より優雅な室内装飾をもち,実生活の要求を満たした建築で,この傾向は 18世紀中葉から,新古典主義を反映したものとなっていく。ロバート・アダムはその代表である。一方アメリカでは,1700年頃から独立戦争までの時代のイギリス植民地で制作された建築とその様式をいい,その初期の様式はクリストファー・レンとその後継者たちのバロック的作品を基礎としたが,1750年以後はパラディオ主義が顕著となる。この様式の住居建築の典型は,赤煉瓦造りで木造部が白塗り,スライド式の窓をもち,内部中央大広間があり,天井は白い漆喰,壁は暖色羽目板である。公共建築の代表的作例は,フィラデルフィア独立記念館 (18世紀前半) ,ボストンのキングズ・チャペル (1754) など。

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