ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョージ1世」の意味・わかりやすい解説
ジョージ1世
ジョージいっせい
George I
[没]1727.6.11. ハノーバー,オスナブリュック
ハノーバー朝初代のイギリス王 (在位 1714~27) 。ハノーバー選帝侯エルンスト・アウグストとイングランド王ジェームズ1世の孫ゾフィーとの間の長男。 1698年父の死によって選帝侯の位を継ぐ。 1714年6月母ゾフィーが没し,続いて8月アン女王が没したため,王位継承法によりジョージ1世として即位。 54歳でドイツから招かれたこのイギリス王は,国民の間で不人気で,しかもトーリー党政治家にはジャコバイトが多かったので,彼はもっぱらホイッグ党政治家に依存して王位の安泰をはかった。英語が話せなかったため,国政を臣下にまかせ,それが責任内閣制を促した,とされるが,実際にはイギリスの政治に決して無関心ではなかった。しかし,皇太子との不和に重臣たちの対立がからみ合って,国政指導の成果を発揮しえなかった。結局,南海泡沫事件 (20) を契機に,翌年から R.ウォルポールの長期安定政権が成立し,ハノーバー朝の支配も定着した。
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