日本大百科全書(ニッポニカ) 「エンケ」の意味・わかりやすい解説
エンケ
えんけ
Johann Franz Encke
(1791―1865)
ドイツの天文学者。ハンブルク生まれ。1811年ゲッティンゲン大学でガウスに数学、天文学を学び、1813~1815年砲兵士官として従軍、1816年ガウスの推薦でゼーベルク天文台助手、1822年台長となった。1825年ボーデの後継者としてベルリン大学天文学教授兼同大学付置天文台台長に就任し、1863年まで在職した。おもな業績は、彗星(すいせい)・小惑星の軌道を研究し、1818年出現の彗星が短周期3.3年で以前3回も発見されたことを同定、これはエンケ彗星とよばれる。また黄道精細星図の作製により海王星発見に寄与し、『ベルリン天体暦』を改訂刊行し、金星の日面通過の観測により太陽視差を決定した。イギリスの王立協会の金賞を受けた。
[島村福太郎]