スコープス裁判(読み)スコープスさいばん(英語表記)Scopes Trial

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スコープス裁判」の意味・わかりやすい解説

スコープス裁判
スコープスさいばん
Scopes Trial

1925年アメリカ合衆国テネシー州デートンの高校教師ジョン・T.スコープスが,チャールズ・R.ダーウィン進化論を教えたかどで告発され,大きな話題となった裁判。その争点からモンキー裁判とも呼ばれる。1925年3月,テネシー州議会は,聖書の天地創造説を否定する理論を教えることを違法とした。聖書を字義どおりに解釈するファンダメンタリズムと自由主義的解釈の対立が予想されるこの裁判に,世界の注目が集まった。ウィリアム・J.ブライアンが検察側の代表を,クラレンス・ダローが弁護側の代表を務めた。裁判官は,テネシー州法の合憲性の検証や進化論の正当性に関する議論を控え,スコープスが進化論を教えたかどうかという論点のみに審理を限定した。スコープスが進化論を教えたことに疑いの余地はないとして,有罪判決が下され罰金 100ドルが科された。控訴審で,テネシー州最高裁判所は 1925年のテネシー州法の合憲性を支持したが,過大な罰金を科せられたとの理由でスコープスは無罪となった。この州法は 1967年に廃止された。

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