日本大百科全書(ニッポニカ) 「スティーブンス」の意味・わかりやすい解説
スティーブンス
すてぃーぶんす
George Stevens
(1904―1975)
アメリカの映画監督。オークランドに生まれる。舞台俳優の両親をもち、1921年に撮影技師として映画界に入る。1930年代にはRKOラジオ・ピクチャーズ社やユニバーサルスタジオ社との契約で、おもに短編コメディ映画を監督する。後に長編映画の監督を始め、キャサリン・ヘップバーン主演の『乙女よ嘆くな』(1935)、フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャースGinger Rogers(1911―1995)主演のミュージカル作品『有頂天時代』(1936)で脚光を浴びるようになる。第二次世界大戦に陸軍通信隊の映画班責任者として終戦まで従軍する。戦後、T・ドライサーの小説『アメリカの悲劇』を映画化した『陽のあたる場所』(1951)でアカデミー監督賞を受賞、以後西部劇『シェーン』(1953)、2度目のアカデミー監督賞を受賞した大河ドラマ『ジャイアンツ』(1956)など代表作となる作品を次々と発表、キャリアの最盛期を迎える。多産な職業監督時代に、映像美を追求し、1作品の撮影に長い年月をかけた完璧主義監督としても知られる。
[堤龍一郎]
資料 監督作品一覧(日本公開作)
海上御難の巻 The Cohens and Kellys in Trouble(1933)
旅鴉子供連れ Kentucky Kernels(1934)
愛の弾丸 Annie Oakley(1935)
乙女よ嘆くな Alice Adams(1935)
有頂天時代 Swing Time(1936)
偽装の女 Quality Street(1937)
踊る騎士(ナイト) A Damsel in Distress(1937)
ガンガ・ディン Gunga Din(1939)
病院の一夜 Vigil in the Night(1940)
愛のアルバム Penny Serenade(1941)
女性No.1 Woman of the Year(1942)
希望の降る街 The Talk of the Town(1942)
ママの想い出 I Remember Mama(1948)
陽のあたる場所 A Place in the Sun(1951)
生きるためのもの Something to Live For(1952)
シェーン Shane(1953)
ジャイアンツ Giant(1956)
アンネの日記 The Diary of Anne Frank(1959)
偉大な生涯の物語 The Greatest Story Ever Told(1965)
この愛にすべてを The Only Game in Town(1970)